着物のご紹介

和柄スニーカーを作ってみた

世の中は変化し続け、ボーっとしている間に浦島太郎さんになってしまうほどです。

abitoが属するウェディング業界においても同じで、以前と比べていろんなことが変化しており、今や何でもありという感じでもあります。
ドレスにハットを合わせたり、和装だって今では当たり前の「洋髪」も以前なら考えられないものでしたからね。

そして何やらドレスにコンバースのキャンバススニーカーを合わせるのも流行っているようですね。これはこれでスゴイ組み合わせですが、意外とピッタリなんですね~。

でね、考えたんです。
ドレスに合わせているなら、和装でもキャンバススニーカー合わせてもいいんじゃないかと。
貸衣裳業としてはある意味タブーな取組なのかも知れません。
これまで先人が築いてきた【伝統】やら【格式】やらを考えると、「そりゃいかんぞ~」という声が天から聞こえてきそうですが、いつに時代においても伝統は変化し続けてきたからこそ今があるわけです。
変化していないものはいずれ淘汰されますからね。

ま、いつものように前置きが長くなりましたが(笑)、本題へ。

作りました、作ったりました
和柄スニーカー
元にしたスニーカーはこちら
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guのキャンパス地のもの。
まずは試作品を作ることから始まりますからね。最初からコンバースなんてリスクが高すぎ、投資高すぎですからね
そしてとりあえず仕上がった和柄のスニーカーがこちらです。
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いかがですか?スタッフには大変好評でしたが・・・。
上から見るとこんな感じです。
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クオリティの低さが露呈
デモですね、まだしっかりと貼り付けていないからなんですよ(言い訳) 
実際、人の靴なんてそこまでガン見しませんし、雰囲気が伝わればという試作品の段階ですからご容赦を。

作り方は至ってシンプル。ですが決して簡単ではありません。
和柄の生地を貼り付けるだけですが、形に合わせてきるのが本当に難しく、苦心しましたwww
こんな商売にならない面倒なことですが、全てはお客様に喜んでいただくため。この想いがなければこんなことはしたいとは思いません。
でね、想像するわけです。
このスニーカーで和装を合わせた姿、そしてお客様の喜んだ表情を。 
そしてabitoの和装がこのスニーカーによって、さらに輝くことを。

今後、増産していきます。
とはいえ、手間がかかるものなので量産は出来ませんが、その分想いをこめてひとつひとつ丁寧に。
これは大人の女性用ですが、男性用も思案中です。
また七五三用や成人式用も作って、お客様にご提案していきたいと思っています。

特に七五三用は早急に対応したいと思っています。
撮影用としてはもちろんですが、小さいお子様にとって、草履での移動は転んだりしやすいですから移動用としても重宝するのかなと考えています。

【ちょっとまとめてみます】
これまで節目の衣裳は「こうあるべきだ!」という暗黙のルールが存在していましたが、いわゆる「クールジャパン」の文化が広がり、日常の衣裳で求められる「かわいい」が非日常の衣裳でも求められるようになり、浸透しつつあります。
こんな変化がもしかしたら日本の民族衣装である「和装」をもっと世界に魅力あるものと発信できるキッカケになるのではないでしょうか?
時代の変化に対応しつつ、新しいもを生み出すことは現代に限ってのことではありません。いつの時代もそうしてきたからこそ今があるわけですからね。
でもやっぱり最後はお客様に喜んでいただくためです。
その上で利便性があったら最高に素晴らしいものとなるはずです。
またすぐに新しい動きがあると思いますが、時代に取り残されることなく、それでいて「和の文化である和装」の魅力をお伝えしていきたいと考えております。

長々となりましたが、最後までお読みくださりありがとうございました。 

海外挙式前に和装前撮り ~栃木市巴波川編~

本日ご紹介する和装前撮りのお客様は、この夏に海外で挙式をご予定のお二人です。
挙式を前にご家族と一緒に和装の写真を撮影したいとのことでした。そんなお二人の撮影にはいくつかのご希望がありました。
◆和装を着たい
◆家族も一緒に
◆船に家族で乗りたい
◆桜とならんだ写真も残したい

ガッテン承知致しちゃいました!!!

では早速お写真を大公開
撮影場所は人気の栃木蔵の街エリア。今回は巴波川の遊覧船、横山郷土館前、岡田記念館、旧栃木市役所前、五連蔵など様々な場所で撮影いたしました!
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こちら蔵の街といえば「五連蔵」といわれるくらい、一番有名な所です。
ちょうど鯉のぼりが飾られ、和装姿がさらに輝く雰囲気でした。お二人もとっても素敵に
和装を着こなし、幸せが伝わってくるようです。
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abito史上最多参加人数 10名
お父様は黒紋付、お母様は黒留袖をご着用され、さらに雰囲気アップ!!! まるで披露宴後のスナップ写真のようです。
家族全員でフォトプロップスって言うのも記念になりますね~
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こちらはまるで祝言を挙げたかのような写真になりました。これぞ日本の結婚式!という
感じでこれまた素敵過ぎます。
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こちら最大のご希望だった船に乗っての一枚です。
蔵の街においての言い伝えによりますと、船に乗った花嫁花婿を見ると幸せになれる
とのことです。この日この場面をご覧になった方々をお二人が幸せにするんですね~。
しかし素敵なお写真だこと・・・・
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実はこの日はシトシトと生憎の雨模様でしたが、桜はお二人を待っててくれたんです!桜の花びらの絨毯も趣があります。花婿様は凛々しく、花嫁様はとっても可憐でした。
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こんなふとしたショットも何気に素敵ですよね。
小さなプリンセスがお二人を見守ってくれているようです。大きくなったらもう一度この写真を見返して欲しいです。
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最後はナチュラルな笑顔のツーショット。
お二人でご用意されたガーランドをもっての幸せすぎる記録です。写真はもちろんですが、撮影したこの日を結婚の一つの思い出としていつまでも覚えていてくださると、大変嬉しく思います。
いつまでも仲良く、そして幸せでいてください。
お二人と過ごしたのは僅か5時間ほどでしたが、とても思い出深い時間となりました。
またいつの日か遊びに来てくださいね。

栃木にもこんなに素敵な場所があるんですよ。
和装の前撮りにピッタリの厳選したロケ地をご提案していますので、お気軽にお問い合わせくださいね。
abitoのウェブサイト
abitoのロケーションフォトウェブサイト 

安田美沙子さんの打掛姿 とっても美しいですね

先日の4月5日に八芳園さんで安田美沙子さんが結婚披露宴を行いました。
京都出身で、普段テレビでも着物姿を披露されてることからも安田さんは和装好き
なんだと思います。
そして披露宴でも打掛をお召しになったようです。

直接このブログにその写真をアップしようと思いましたが、大人の事情と言いますか、
著作権、肖像権などの諸問題に真っ向からぶつかる勇気もないので自粛させていた
だきました
でもリンクならOKでしょうから、安田さんの美しい婚礼和装姿をご覧になりたい場合は
こちらから。

本当に最近ご結婚される有名人の方は和装をお召しになる事が多いですね。
最近の和装人気の理由の一つなのかもしれません。

普段華やかな衣裳を着る機会が多い芸能人の方々が、「結婚式」という節目に際して
いつもの自分と違いを出すには和装は最適ですからね。婚礼業界にとってもたいへん
ありがたいことです。

さて次はどなたが和装で披露宴を挙げられるのでしょうか?

 

おすすめ色打掛をご紹介!

えーっとですね、こちらのブログではどんなキーワードで検索されているかが把握
できるのですが、その第一位は定番の「結婚式」、第二位は「色打掛」、第三位は
「ブログ」です。
これはここずっと変わりません。
つまり婚礼衣裳での検索一位は「色打掛」ということになります。意外や意外、ドレス
ではないようです。これも和装人気の現れなのかなと感じています。

そこで本日はabitoのスタッフの目から見て、「これが素敵だな」という色打掛をご紹介
したいと思います。
それでは早速!!!
まずはこちら
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唐織の色打掛です。
こちらは飾っているだけで、お客様の視線を釘付けにする美しい打掛です。所々に
注してあるブルーグレーの色が何ともいえません。

うしろ姿がこちら
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伝統的でありながらも、どこか新しさを感じる逸品ですよ。

お次はこちら!
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鮮やかなミントブルーが美しい打掛です。こちらの柄は絵巻風になっていまして、
【御所車】【松の木】が刺繍であしらわれています。
右から左へ下がるように配置されている朱色の牡丹の花が華やかを演出しています。

さぁ、ドンドン行きますよ!
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こちらはラベンダー色の可愛らしい打掛です。
ご覧のようにターコイズブルーのお花がとても目立っています。柄は少なめでシンプル
ですが、全体的にとっても鮮やかです。(隠れてしまっていますが鳳凰の刺繍があるん
ですよ)
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スッタフ同志では「レインボー」と呼んでいるこの打掛は気品溢れる八重重ねです。
『八重重ね』とは衿と袖を十二単風にした打掛のこと。

後姿もご覧下さい!
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色打掛のメインは後姿です。ご覧のようにちょうど背中の部分に一番の大きな鶴を
配置しています。見る側の場合、そこに注目してみましょう。
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こちらは碧色(深い青)が美しい打掛です。
色打掛と言えば思い浮かべるのは「赤」ですが、寒色系の打掛は珍しいのです。
しかし清廉な雰囲気があり、こちらもお客様には大変人気があるんです。
胸に飾ってある『懐剣』と『ハコセコ』は敢えてイエローにしてみましたが、いかがで
しょうか?
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こちらは全体的には白ですが、決して白無垢ではありません。光沢があり、薄いピンクと
ブルーの色がグラーデーションとなっており、孔雀の羽と蝶々があしらわれているまるで
天女のような打掛です。
こちらは敢えて掛下(打掛の下に着る着物)をピンクにし、可愛らしさを倍増させていま
す。春挙式の方にピッタリですよ!!!
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ピンクの掛下は色打掛の雰囲気を変化させることが出来ます。この写真は先程の
ミントブルーの打掛にピンクの掛下を合わせた見たものです。
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比べてみると一目瞭然ですね。どちらも捨てがたいですが・・・・。
まだまだ行きますよ~!
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これぞ『THE色打掛』という赤と白鶴がシンプルな商品です。後姿も見てみましょう!
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Simple is Bestという言葉がピッタリですね。こちらの商品に関してはもはや説明は
不要ですね。伝統的な和婚をお望みの方、クラシカルな雰囲気がお好きな方には
たまらないのではないでしょうか。
ガラッと雰囲気が変わる色打掛がこちら。
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細かな柄で、全体的にゴールド ※金の鳳凰の柄が素敵です。
披露宴会場に春の雰囲気をもたらすような、とても可憐は打掛。
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でもよーく見てみると、柄はとっても伝統的なものなんですよね。このギャップが
人気のヒミツなのかもしれません。
こちらも掛下をピンクにすると・・・
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さらに可愛くなっちゃいます
次がラストです。また雰囲気が変わり ます
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ブルー地に白鶴とデフォルメされた大き目の梅の花が・・・・。
色は今風、柄はクラシックという「レトロモダン」な打掛です。こちらは羽織らせて着せて
いますが、帯をして【引き振袖】としても着ることができます。
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もしかしたら「意外に地味では?」と思うかもしれませんが、そんなことはござい
ません。
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花嫁の隣りには、必ず紋付袴姿の花婿がいるわけですからね。相乗効果で華やか
な雰囲気に包まれること間違い無しです!!!

ということで、長々とabitoの色打掛コレクションをご紹介したのですがいかがでした
でしょうか?
婚礼和装に関しては、決して身近なものではないですからご存じないことも多いこと
と思います。人は知らないこと、わからないことには手を出しづらいものですが、日本
の伝統衣裳である色打掛はとても素敵な衣裳です。
結婚式で「着る・着ない」を決めるのは、まずは色打掛をご覧になり、手に触れて、ご試着
してからでもいいのではないでしょうか?
ドレスと違って、「着付け」という言わば面倒な作業が必要となりますが、手間が掛かるものほど価値があるのもまた事実。

ご紹介した商品はごく一部で、この他にもたくさんの色打掛・白無垢・大振袖・黒引きを
御用意していますし、掛下や小物の色を変えるアレンジでお客好みにカスタマイズする
ご提案もさせていただいております。
ご結婚という絶好の機会だけにしか着ることのできない色打掛。
まずはごご検討してみてはいかがでしょうか?
 

和装カタログギャラリー製作中です

何度もお知らせしていますように、弊社abitoのウェブサイトは今年より『和婚』に
特化した雰囲気にリニューアルいたしました。
無題
これに合わせて、和装カタログギャラリーも一新します。

着物・・・和装は人が着ることで初めて立体感が出来る衣裳です。実際にご試着
して頂いくと全体の雰囲気やテイストがわかるのですが、そう何着もご試着でき
ませんし、できればネットである程度把握したいですよね。
もちろんこちら側としても、手軽にabitoの和装をお伝えしたいと思っています。
ですから出来るだけお伝えできるようなギャラリーにしたいと思っています。
例えば・・・・
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前姿だけでなく、後姿の画像もアップしますし
中に着る掛下の色を変えたらどんな風になるのかを知っていただくために、こんな
画像もアップ予定。
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また、小物を変えるとどうなるのか?・・・そんな画像もアップするつもりです。
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懐剣とハコセコの色を変えると、こんな感じになります。

もちろんご来店していただくことが目的ですが、でもそれだけでなく自宅にいながら、
はたまたちょっと空いた時間にスマホで気軽に見ていただき、参考にしていただけれ
ばと思っています。
今やネットの時代です。
「良くわからない」とされる和装は、ネットである程度の情報を得られたら検討
しやすいですよね。もはや前知識なくお客様にご利用いただける時代ではありません。
それと同時に、ドレスにしか目線が行っていなかった花嫁に少しでも和装の魅力が
伝われば・・・そんな考えもございます。

ギャラリーのアップはもう少し先ですが、和婚にご興味をお持ちのお客様は楽しみ
にお待ち下さい。今月中には何とかアップしますからね。



 

新和装

伝統ある和装の世界でも、時折画期的な商品が生み出されることがあります。
私の知っている限りでは、その第一弾が『舞カレン』という和装です。
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袖の振りが極端に短く、柄が大胆、尚且つ裾が三つに分かれているという当時では
まさに度肝を抜かれた婚礼和装でした。でもやっぱり流行物は急激に人気を博し、
そしてあっという間にブームが終焉する運命なんですよね。
そのまま受け継がれると『文化』になり、伝統いわば『定番』となるわけです。
残念ながらこの舞カレンは定番となる事なく、今では忘れ去られた存在になりつつ
あります。

その次に来たブームが『新和装』。
abitoでは『オーガンジー打掛』、略してオーガンジーと呼んでいます。言葉通り、オ
ーガンジーで誂えられた和装のことです。
こちらも一時期、大変な人気でした。
来るお客様来るお客様、全ての方がこの新和装をお決めするなんてこともありました
からね。
こちらも舞カレンのように短命で終る運命かと思っていましたが・・・・そうでもないよう
です。以前に比べ、ご覧になる方は少なくなりましたが、改めて見てみるとなかなか
素敵な和装です。
例えばこちら。
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 中に着る掛下をピンクにして合わせて見ましたが、まるで羽衣のようです。
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こちらは裾に赤が入った新和装。
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何故か千円札が・・・。
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こちらは黒地の桜柄です。
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こちらはブルー地にゴールドの桜が施された新和装。

いかがでしたでしょうか?
やはり定番の色打掛に比べると、少しカジュアルな感じもしますがその分軽いので
楽々です。秋冬にはちょっと適さないかもしれませんね、ということは春と夏にピッタリ
ということ。
涼しげですし、打掛に比べて実際に涼しいです。

・カジュアルな和婚
・春~夏にかけての和装ロケーション撮影
・和装は着たいけど暑がりな方
・他人とは違う和装をお探しの方
一つの選択肢として『新和装』もいいかもしれませんね。

もしかしたらこの新和装ブームが再来するかもしれませんよ~!!!!
 

打掛はコーディネートを楽しむ衣裳です

最近、ブログと言えば和装のことばかり・・・。
お店の名前が【Wedding Dress abito】というのにもかかわらず、ドレスそっちのけ
で打掛をメインにしているのには訳があります。
・打掛がやっぱり素晴らしいから
・和装のお客様が激増しているから
・他の競合店さんがあまり和装に関して情報を出していないから

・・・・などなどいろんな理由がありますが、要は和装で地域一番店として認めていただ
けるようにしているためです。

ドレスはある意味、普段の洋服に近いので、花嫁様も何となくご自分に似合うものを
見つけることが出来る衣裳ですが、和装はちょっと違います。
完全に普段の生活からかけ離れたものですから、花嫁様にとってはわからないこと
ばかり・・・・。
好きだし、興味があっても何を判断基準にしていいか、不安がありますよね。その不安
をこのブログで取り除くことが出来たら嬉しいです。

また前置きが長くなりましたが、ここからが本題です。
『コーディネートを変えた和装はどんな感じに変化をするか見てみよう~!!!』
まずはこちらをご覧下さい。
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白地に孔雀、蝶々が描かれた打掛です。これは基本的なコーディーネートになります。
掛下(打掛の下に着るお着物)は白、懐剣やハコセコといった和装小物も白を使って
コーディネートしています。
次にこちらをご覧下さい。
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掛下をピンク、懐剣とハコセコを赤にチェンジしましたが、ガラッと雰囲気が変わり
ますよね?同じ打掛でもコーディネート次第でいろいろと楽しむことが出来るんです。
つまりはカスタマイズできてしまうんです。
こちらのほうがわかりやすいかもしれません。
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まるでお姫様のようなイメージですね。本当にカワイイと思いませんか?

ちなみに掛下とはこれです。
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 通常は白。白無垢でも色打掛でも使うことが出来ます。
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 こちらはピンク。どんな組み合わせをするかは・・・・貴女次第です。もちろんサポート
致します!!!
和装の魅力、伝わってますか?
和装の美しさ、届いていますか?

今後も和装の奥深さをお伝えする為にも、こちらのブログで情報を発信していきます
ので今後とも宜しくお願い致します。



もはや美術品

婚礼和装の打掛は日本の伝統工芸品と言われることがあります。

それこそ平安の時代から受け継がれてきた縫製や染めなどの技術が駆使されて
いる衣裳ですからね。伝統であり、文化であり、歴史でもあります。つまりぶれない
価値があるわけです。
ここ数日はそんな打掛の商品撮影をしているのですが、ちょこっとご紹介したいと
思います。
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【飛翔白鶴八重七色】
レインボーカラーを下地に、白鶴が飛んでいる様子を刺繍で表した構図となって
います。和装は正面はもちろん大切なのですが、同様に後面も大切なんです。も
しかしたら後姿がメインなのかもしれません。
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白鶴がいきいきと飛んでいる様子はこちらのほうがわかりやすいですよね。
いつも思うのですが、色打掛の柄は一つの「絵」ではないでしょうか?
婚礼に着用する衣裳ですから、もちろんストーリー的にはおめでたい柄を使い
お祝いを表現しています。
この衣裳に「お着付け」の技術が加わってはじめて、日本の花嫁姿が誕生する
ことになります。まさにプレミアムです。

打掛は「工芸品」と冒頭で書きましたが、前から後からと画像を見ると、もはや
工芸品の枠を超えて「美術品」ではないかと思ってしまいます。
ファッションを身にまとうのがドレスだとしたら、芸術を身にまとうのが和装です。

ご自身最大のお祝いイベントの「結婚式」。
日本の技術が結集された美術品の色打掛で臨まれてみてはいかがでしょうか?
それこそ日本の結婚式だと思います。

アンティークと言う価値

古来、人間は「新しいもの」に価値を見出す生き物ですが、「古いもの」にも同様に
価値を感じたりします。

「新しいもの」=今までなかったもの
「古いもの」 =この先手に入らないもの
こう考えると、両方に価値を感じるのは理解できると思います。
「新しいもの」はこの先、次から次へと出てくるので、いつかは古いものとなりますが、
「古いもの」は時間の経過と共に価値が高まってきます。

例えば自動車
極端な例がこちらのTOYOTA2000GT
2000GT_MF10
約50年前に生産され、発売当時もかなり高かった(238万円)ですし、生産台数も
337台と少ないこともありますが、今もしこの車を買おうとすると5000万円だしても
手に入れることは難しいとのことです。
現在の自動車のほうが速いし、馬力もあるし、運転しやすいのにも関わらず・・・。
つまりは「希少価値」なんですね。

そして時計なんかもいい例がありますよ。
ROLEX 1680 通称赤サブ
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約45年前に生産されたサブマリーナと言うダイビング用の時計です。
実は私もこちらを所有しておりまして(ちょっと自慢)、約20年前にアンティークと
して37万円で購入しました。
しかし、現在ではおよそ100万円が相場となっています。
文字盤に赤文字が見えると思いますが、この文字にこそ価値があるんですね。白
文字なら約80万円・・・これでも相当高いですけどね。

2000GTにしても赤サブにしても、品数が少ないことに加え、やはりデザインが秀逸
であるからこそ価値を感じる方が多いのだと思います。そして何と言っても需要が
多いことこそが価値を高めるわけです。
自分とは関係がない、あるいは関係性が薄い時代のものに価値を感じることが、
アンティーク市場を支えているのかもしれません。

自動車や時計の他にも、ワインやおもちゃ、美術品などいろんなカテゴリーでも、同
様のことが言えます。

婚礼衣裳も同じなんです。
例えばこの打掛。
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【右側が約40年前、左側が約30年前の打掛です】
今の打掛に比べると派手さはありませんが「粋」な雰囲気が漂います。そしてこの
時代に作られた和装はかなり手が込んでいます。
何より40年前に作られたと言う価値です。今探してもなかなか見つけることは難しい
のではないかと思います。
正直、少々の汚れもありますし、見方によっては「ただの古い打掛」なのかもしれま
せんが、やはり「希少性」があると思います。
「他の人とは違う和装姿になりたい!」「アンティークが好き!」という花嫁には、まさ
におすすめの打掛です。

全ての花嫁におすすめするつもりは全くございません。
ただ、この打掛に価値を見出してくださった方には出来るだけの衣裳ケアをして、そし
て現代で着るコーディネートをご提案したいと思っています。

abitoにはアンティーク打掛が数点ございます。そしてこれらの打掛は全てabito的
重要文化財です。
ご興味のある方はお気軽にご来店頂き、この打掛が醸し出す雰囲気を感じてみて
下さい。もちろん、ご試着も可能ですからね。 

お店が伝えたいことを表現!それはディスプレイ

アパレルはもちろん、abitoのような貸衣裳店でもディスプレイはとても大切
なんです。ディスプレイに飾る商品は『おすすめ』だったり、『人気商品』だった
りすることが多く、またコーディネートの参考になったりもしますからね。

ですからどんなお店でもディスプレイは要チェックですよっ!

しかしですね、そんな風に注目されることを知っているので、手が抜けないと
言うこともまた事実。ただ単におすすめや人気商品を飾ればいいってわけで
はありませんからね。
商品がより良く見えるように、そしてお客様が想像しやすいように、またオリジナル
の世界観を出さなくては意味がありません。

今回は人気上昇中の和装のディスプレイをご紹介いたします。
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現在、abitoの1階の和装フロアにはこのようなディスプレイが展示されています。
前職でディスプレイに関することで教わったこと、それは「基本は偶数でなく、奇数
で飾り付けること」です。
つまり左は「衣裳を着せたトルソー」+「お花」+「金屏風」で3。
そして右は「衣裳を着せたトルソー」+「観葉植物」+「金屏風」で3。
奇数にするとバランスがいいというか、落ち着くんでしょうね。二つだとちょっと寂しい
感じがしてしまいます。

全体的に見ると、赤と黒の打掛が飾ってあると見てもらえると思いますが、色々と
工夫しているんです。
例えば・・・
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こちらは和装小物の「懐剣」と「はこせこ」を赤にしています。従来は金色のものを
使うことが多いのですが、敢えて赤にしたのは「こんな組み合わせもいかがですか?」
というご提案をさせていただいているからです。
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やっぱり赤にすると映えますよね。
また袖の部分をより見ていただくために、袖を釣っているんです。
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中に着る掛下に安全ピンをつけて、テグスて釣っています!!!
手を広げた感じがかわいいと、お客様からもご好評いただいております。やっぱり
褒めていただくと、嬉しいですし、また新たなことにチャレンジする意欲も湧いてきま
す。※abitoのスタッフは褒めて伸びるタイプばかりですからね(笑)

ご来店いただくお客様のディスプレイに飾っているドレスや和装の試着率は、やっぱ
り高く、ご成約いただくことも多いです。
少しでもお店が華やかになり、そしてお客様に喜んでいただけるディスプレイは
試行錯誤したりと大変ですが、結果が直結する大切な仕事です。

明日は日曜日。
もしお出かけして、どこかのお店に入ったら、どうぞディスプレイにご注目してみて
下さい。お店が伝えたいことがわかるかもしれません。