予備知識

和装ロケーション撮影の予備知識③ 「ロケ地を決める」

今回でシリーズ3回目となります。

和装ロケーション撮影の予備知識① 「どこにお願いするか?」
和装ロケーション撮影の予備知識② 「いつ撮影するか?」

この2つの予備知識は多少なりともお役に立っているのかは甚だ疑問ではありますが、少なくとも無駄にはならないと思います。
さて今回はロケーション撮影では大切な要素である撮影場所、つまりロケ地の選び方についてです。

季節やスケジュール、好みによって選び方も変わりますが、全ては最高の撮影にするためにもしっかりと選びたいものです。

まずはざっくりと、どんなロケ地があるのかご説明します。
基本的には自然が広がる「公園」、庭園や和風建築のある文化財、その他「ご自宅」や「思い出の場所」などがあります。
この中でも最も人気があるのは文化財です。
なぜならしっかりと整備された日本庭園では外の写真、歴史的価値のある建築では屋内の写真と両方撮影できるからです。ただ「桜」や「紅葉」をメインにした場合は公園のほうがよい場合もあります。

公園

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広々とした公園では多くのロケーション撮影が行われています。
なかには桜や紅葉の名所とされている公園もあるので、季節的な前撮りを希望される方にとっては大変おすすめのロケ地となります。また撮影行為の使用料も比較的お手頃でもあります。
ただそういった季節となると観光のお客も多くなるため、様々な配慮も必要となります。自己中心的な撮影をしてしまうと観光客の方からはもとより、管理者からお叱りを受けることも・・・。
これは撮影をお願いした業者さん一任となるので、誠実なところにお願いした方がベストですね。

公園での撮影は全て野外での撮影となるため、人気の「正座ポーズ」などは赤毛氈などが必要となります。

文化財

082歴史的価値のある文化財での撮影はワンランク上のものとなります。
上の画象は日光市にある「田母沢御用邸記念公園」での一枚。こちらはかつて大正天皇のご静養所とされた由緒ある場所で、その景観は誠に素晴らしいの一言。
建物と日本庭園は緻密な計算されており、まさに和装の撮影には最高のロケ地となります。
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緑豊かな樹木だけでなく、池があったり・・・

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屋内で撮影できたりと、バリエーション豊かな和装撮影が叶います。

ちなみにこちらの田母沢御用邸公園は紅葉の名所としても知られています。
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また当店でも人気のロケ地でもある岡田記念館には・・・
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京都を思わせるような竹林の小道があったりと、それぞれの文化財によって特徴のある庭園があります。

お二人のライフスタイル、好み、撮っておきたいポーズに合わせて選んでみてはいかがでしょうか?

自宅

「前撮りを自宅で?」と思うかもしれませんが、少なくとも当店ではこれまで数多く自宅ロケを行ってきました。
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自宅ロケをされた理由は全て共通しており、たった一つだけです。
それは結婚式に出席できないお祖母ちゃん、お祖父ちゃんに花嫁姿を見せたいという想いです。やはり直接孫の花嫁姿を見れる喜び計り知れませんし、一緒に記念撮影ができるのが嬉しいですよね。
自宅での撮影なので移動などの負担はないですし、気分的にも気軽です。

当店では少なくとも毎年数組の撮影をしています。

その他

これまで様々な場所で撮影してきましたのでご紹介します。

温泉旅館

015お二人がお世話になった方のご実家の旅館での撮影でした。

神社

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神社での撮影も雰囲気があって良いですよ~

思い出の場所

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お二人それぞれの卒業された母校前で撮影しました。

奥日光(戦場ヶ原)

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大変暑い真夏でしたが、標高の高い戦場ヶ原は別世界の涼しさでした

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マイナスイオンたっぷりで、和装姿との相性もばっちりでした。

このように和装ロケーションは意外と撮影場所を選ぶことがないんです。
お二人だけのオリジナルな場所で撮影すれば、それだけで唯一無二の和装撮影になること間違いなしです。

まとめ

和装撮影は撮影する場所によって雰囲気が変わるため、ロケ地選びが重要であることがおわかりいただけたことと思います。また写真の雰囲気ではなく、お二人の想いや大切な思い出を重視してロケ地を選ぶ方々もいらっしゃいます。
いずれにせよ和装撮影は人生で一回だけの特別なものです。
どこで撮影するにせよ、一生の思い出となるようまずは楽しむことが一番大切なことだと思います。撮影を楽しませてくれるカメラマンに出会えると良いですね!

 

和装ロケーション撮影の予備知識② 「いつ撮影するか?」

和装ロケーション撮影の予備知識① 「どこにお願いするか?」に続く第二弾です。

今回はやはり皆さん頭を悩ませがちな撮影の時期についての考察です。

まず初めに撮影時期には二つの概念があり、ひとつは「スケージュール的時期」、そしてもうひとつは「季節的時期」があるので分けて考察していきますね。
 

スケジュール的時期

こちらに関しては「結婚式の予定あり」のカップル様が気にされるのではないでしょうか?
つまり「結婚式のどれくらい前に撮影するのが良いか?」ということになります。撮影したデータをウェルカムムービーに使用したり、写真を会場に飾ったりされる方が多いですからね。

まずはざっくりと答えから先に申し上げると、余裕を持つなら二ヶ月前までに撮影されるのが賢明です。
その理由としては撮影データの仕上がりはおよそ2~3週間後となり、そこから結婚式の準備として1ヶ月ほど時間が取れるからです。またアルバムの仕上がりはおよそ1ヶ月ちょっととなりますので、やはり余裕を持つのであれば二ヶ月前が宜しいと思います。

但し、例えば結婚式が九月だった場合はこの限りではありません。
二ヶ月前は「七月」となり、近年はこの時期は大変暑く、和装の撮影に向いていません。この場合は通常より早めのスケジュールで撮影を行った方が賢明ではないでしょうか?
これは当店の場合ですが、夏は比較的気温の低い日光をご案内し、そちらはエアコン完備ですので問題なく撮影が可能です。他のエリアでも日光のような割と涼しい場所でなら検討する価値はあると思います。
 

季節的時期

野外で撮影するロケーション撮影は同じ場所でも時期によって表情が違います。
また「この季節に撮影したい」というこだわりをお持ちの方も少なくないでしょう。まずは季節的な違いを実際の写真でご確認ください。

032やはり春と言えば「桜」です。
ただ見頃の時期は大変短く、またその年によって開花も満開も前後するので見極めが難しいのも事実。令和2年の今年は例年より10日ほど早かったですしね。しかし最高の和装写真となりますし、大変人気もあります。

 

新緑時期(5月~10月上旬)

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美しい緑に包まれる新緑の時期はロケーション撮影の最も定番な時期とも言えます。
その期間も長い為、ある程度お二人のご都合に合わせて撮影も行えるのが嬉しいですよね。その中でも5月~6月上旬、9月下旬~10月上旬は気温も程よく、湿度も抑え目なのでおすすめです。

 

 

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こちらは昨年の八月末、日光で撮影した画像です。

前述の通り、基本的に夏は和装ロケーション撮影には適さない季節です。その理由はおわかりの通り、「暑い」からです。
しかし当店はこれまで七月、八月という真夏での和装ロケを数多く行ってきたことも事実です。どうしてもこの時期でないと撮影ができないというお客様も少なくありませんしね。
どうしても夏にしか時間が取れない場合は、お願いする店舗に夏の撮影実績を確認したほうが良いでしょう。
当店ではこれまで積み重ねてきた経験により、真夏のロケ撮影にもご対応しています。

また上の画象をご覧いただくと、「夏だからこそ」の雰囲気も素敵なんです。
陽射しの角度、木洩れ日の具合、ハッキリとした明暗などは写真が映える要素でもありますからね。

 

 

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もう秋と言えば「紅葉」ですよね。
春の桜と並ぶ人気の季節ですが、紅葉のほうがより人気が高いと言えます。
ちょっと肌寒い気温、湿度の低い空気、晴天の多い時期とロケーション撮影にはまさに最高の季節でしょう!

この時期に撮影される方は殆どが翌年に結婚式を予定されている方々。
春に行われる結婚式に秋に撮影した和装姿の写真をお披露目する・・・・最高ですね。また紅葉時期は桜に比べて割と長いので、ちょっと安心ですね。ただ本当に大人気の季節なので、ご相談、お申し込み共に早めに進めないと前撮り迷子になってしまうのでお気をつけください。

 

 

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冬はどちらかと言えばオフシーズンとなります。
やっぱり寒いですし、広葉樹は落葉してしまいますからね。それでも冬の良いところもあります。
それは気候が安定していて晴天が多いこと。そして空気が乾燥しているので、とっても仕上がりが良くなることです。上の画象は昨年の年末に撮影したものですが、青空が美しく、白い雲とのコントラストが本当に素晴らしかったです。
陽射しも柔らかいので、とても優しい写真となります。

この季節は既述のとおりオフシーズンですので、どちらでも特別なプランを打ち出すことが多く、コスパの良い前撮りにすることができるのも特徴です。特別価格だったり、特典があったりするので狙い目の時期かもしれませんね。

この時期に撮影される方は殆どが二月~四月上旬に結婚式を予定されている方。
お仕事柄、秋~年末年始にかけてお忙しい方がこの時期をお選びになることが多いかもしれません。

 

 

まとめ

このように和装ロケーション撮影を「いつ撮影するか?」という問題は【スケジュール的時期】と【季節的時期】に分けて検討することが大切です。
結婚式をされる方は式の日取りを考慮しなくてはなりませんし、ある程度の余裕を持つことも大切です。また結婚式をされない方は結婚式以上の思い出づくりとするためには「季節的時期」にこだわることで、より思い出深い撮影となることでしょう。

でも結局は和装ロケーションはどの季節でも撮影可能なんです。
どの季節をお選びになるかはお好みによって、またはご都合によって様々だと思いますが、それぞれの季節にそれぞれの魅力がありますからね!

 

 

和装ロケーション撮影の予備知識 ①「どこにお願いするか?」

結婚式を「する」「しない」にかかわらずに検討されることが多くなった婚礼和装での記念撮影。

一般的に「和装前撮り」「和装フォトウェディング」と呼ばれ、今では定番化されつつあります。しかし結婚式と同様に、どちらのカップルにとっても初めてのことばかりで頭を悩ますことも少なくありません。

そこでWedding Dress abitoは【和装ロケーション撮影】に特化し、少しでもスムーズに、そして安心して皆さんが足を進めることができるように様々な情報をお伝えしたいと思います。お伝えしたいことが山ほどあるので、数回に分けてのリリースとなりますがきっとお役に立てる情報がたくさんありますので、ぜひご参考にして頂けたらと思います。


第一回目は「どこにお願いするか?」です。

和装ロケーションフォトを行っている業種は基本的に3つ。
「結婚式場」「フォトスタジオ」、そして当店のような「貸衣裳店」です。提供するサービスは同じように見えても、実は意外と違いがハッキリしているんです。皆さんが和装ロケーションをお願いする際に「どこにするか?」というお悩みの解決に繋がれば幸いです。

①結婚式場

結婚式場に和装ロケーションをお願いするほぼ100%がその式場で結婚式を挙げるカップルです。
逆を言えば結婚式をされない方にはまず選ばれないとも言えます。

当店にご来店されるお客様の中でも「結婚式場での撮影も検討している」という方は少なくないほど各式場が力を入れてきています。
それでは結婚式場を選んだ際の最大のメリットとは何でしょう?
それは結婚式の打ち合わせ等で顔馴染みになった式場スタッフがいるので安心があるということ。
慣れない撮影ではついつい不安になりがちですが、見慣れた顔があると安心ですし、いろいろと相談できますからね。

デメリットとしては他に比べ費用が高くなりがちです。
そもそも結婚式場に何かをお願いするとそれなりの費用がかかるもの。その代わり内容は充実しているはずです。

②フォトスタジオ

撮影と言えばやはりフォトスタジオを真っ先に思い浮かべるのではないでしょうか?
ただ意外とロケーション撮影においては後発で、あくまでも自社スタジオでの撮影に重きを置いている場合もあります。なかにはロケ撮影をしていないスタジオもあるので、まずは確認が必要です。

フォトスタジオを選びメリットは何と言っても商品の豊富さにつきます。
アルバムの種類の多さ、その他カレンダーやアクリルボードなど様々な商品があります。また告知されている撮影プラン価格は大変お安くなっており、「これぐらいでできるんだ」と思えるほどです。
しかし価格についてはまた後日お伝えしますが、最終的にお支払いになる額とは必ずしもイコールとはならないことが多くあることも・・・・。

さて次にデメリットですが、これはスタジオによって様々です。
よく耳にするのは「衣裳が少ない」ということ。お気に召す衣裳があれば問題はないですが、一生に一度の撮影ですからできれば多くの中から納得の一着を選びたいものです。
その為にもまずは着数を確認してみてはいかがでしょう?
 

③貸衣裳店

今は殆どの貸衣裳店は「撮影事業」を展開しています。
ただ取り入れていなかったり、スタジオ撮影のみだったりする場合もあります。

まずは貸衣裳店を選ぶメリットです。
何と言っても衣裳の豊富さは式場やフォトスタジオ以上です。
婚礼衣裳以外にも多くの衣裳を取り揃えているので、ご家族の衣裳なども選びやすいです。また他に比べてプラン価格が「コミコミ」で設定されていることが多く、わかり易い料金設定になっているのはとても安心だと思います。

一方デメリット。
貸衣裳店の場合、撮影をするカメラマンは衣裳店スタッフであることが少なくありません(当店は違いますけどね)。
つまり生粋のカメラマンではない場合があるんです。でもだからと言って「撮影が上手じゃない」ということではないのですが、社内での撮影のみの経験と実績なので「他を知らない」場合があります。その為に一辺倒になりやすいかもしれません。


以上、結婚式場、フォトスタジオ、貸衣装を選ぶ際のメリットとデメリットでした。

一概に「ここが良い!」とは言い切ることはできません。
でもやはり参考になるのは「実際に撮影した写真」、つまり実例を確認することと「見積り」で比較することだと思います。

最後にこれだけはお伝えしてしておきたいことがあります。
皆さんが撮影を検討する際、やはりそれぞれのウェブサイトをご覧になると思います。
その際、掲載されている画像等が全く参考にならない場合もあるのをご存知でしょうか?

これは「良い悪い」ではなく、あくまでも参考になるかならないかの問題です。
掲載されている画像には二通りあり、一つは「過去に実際に撮影したお客様」、もう一つは「モデルを起用した宣伝用」があります。

実際のお客様だった場合は衣裳もロケ地、メイク、ヘアスタイル、撮影法もオリジナルなのでとても参考になります。しかし「宣伝用」の場合はその限りではありません。普段ではしないようなライティングだったり、画像が加工されていることもありますので実際の撮影とは違う場合があることもご存知ください。


次回は「撮影の時期」について綴りたいと思います。