単色

新作のオリジナル振袖 入荷しました

何度かこのブログでも予告していましたが、この度当店ではオリジナルの振袖を企画し、その第一弾となる商品を製作中でした。

そして遂に本日、入荷しました!

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振袖によくあるお花はもちろん、柄は一切ナシの黒の無地の振袖です。
華やかな柄はございませんが、その分織柄にはこだわり、今回は七宝文様をチョイス。

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ちなみにこの七宝文様には「円満」「ご縁」「調和」などの願いが込められており。たいへん縁起の良いものとされています。

早速ながら、ごく簡単ではありますがコーディネートしてみました。

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帯は黒地と調和させ、銀系の物をチョイス。帯揚げは赤、帯締めは黒、そして抱え帯を赤にすることで黒を引き立たせるようにしました。草履はもちろん黒系です。

ちがう角度からもどうぞ。

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本当に簡単に着せただけですので、お粗末な部分はご勘弁いただき、まずは全体的な雰囲気を見て頂ければと思います。光が当たると黒も輝き、ご覧のように言葉では表現できない独特な色合いが楽しめます。そして織柄の七宝文様がハッキリとクッキリと浮かび上がるのも素敵ですね。

さて一般的に「黒」というカラーは地味でネガティブといったイメージがあるかと思います。
しかし和装の世界では黒という色の格は最高の位置にあり、地味どころかハッキリ言って「派手」な色です。その上、大柄の七宝文様が浮かび上がるとなると、この振袖をご着用していただくと注目の的になること間違いナシですね。

地色が黒で柄がないからこそ、帯や帯締めなどの小物等で様々なコーディネートが楽しめますし、「かわいい」にも「かっこいい」にも「アバンギャルド」にも様々な感覚でご着用いただけることでしょう。

ただこちらの振袖はすでに「仮」ではありますが予約(2022年成人式)が入っております。2023年成人式分はまだ予約が空いております。またこの黒はもちろんですが、その他のご希望の色での「オーダーレンタル」または「ご購入」にもご対応いたしますので、お気軽にお問い合わせご相談下さい。
ご購入された場合、ご結婚後は袖を短くし、色無地として長年ご着用頂けることもお伝えしておきます。

今後はこの単色無地の振袖をシリーズ化し、カラーバリエーションを増やして行き、その先にはこれまでにない振袖のプロデュースをしていきます。振袖に関しては今後は県内の方だけではなく、全国の方に向け発信し、ご利用頂けるようになりたいと考えています。まずはほんの第一歩ですが、二歩三歩と進んで行き、これまで見たことのない場所へ辿りつけたら最高ですね。

時折参考にしている和色大辞典

abito(というか私ですが)は意外と「色」にこだわっています。

ウェブサイトのバナーの色、衣裳の色など多岐に渡りますが、その際に高頻度で参考にしているサイトが「日本の伝統色 和色大辞典」です。
こちらをご覧いただくとお分かりになると思いますが、日本には様々な色の名前があります。どこれもこれも個人的には素敵なネーミングだと思いますし、日本人の感受性の豊かさを改めて感じます。

私的に好きな色の名前は「紺桔梗(コンキキョウ)」「薄萌黄(ウスモエギ)」ですかね。
まぁよくもこれだけの名前があるなといつも感心してしまいます。おなじ緑系統の色にも40ほどの色の名前がありますし、その他の色系統も同様ですからすごいですよね。

さてabitoは今後、オリジナルの振袖をプロデュースする予定となっており、その第一段階として黒一色の振袖を製作中です。
ちなみに色は黒一色ですが、地柄があるので喪服とはもちろん違った風合いになります。これまで和装メーカーさんの振袖を仕入れるだけでしたが、今後を見据えると「abitoにしかない振袖」という商品が必ず必要になると感じています。

メーカーさんの振袖、それはつまり当店だけでなく全国の様々なお店のラインナップとなりえます。
abitoが目指しているのは栃木県内だけでなく、東京や神奈川などからもオリジナルの振袖を求めるお客様にご来店頂くこと。そして美しい中禅寺湖での前撮りをおすすめすることです。

現時点では黒一色の振袖でのスタートとなりますが、もちろん色にこだわった多色展開していく予定です。
このことでも参考にしているのは和色大辞典です。例えば青系だったら「天色(アマイロ)」、これはティファニーブルーに色合いが似ており女性なら嫌いな方はいないんじゃないですかね?緑系なら「常盤色(トキワイロ)」などもいいかもしれません。そして行く行くはお客様のご要望に応じるオーダメイド振袖も視野にいれています。
いずれにしろ「青」「緑」と表現するのではなく、日本伝統の色の名前で表現するだけでも受け取り方が違ってくると思うんですよね。

またabitoの振袖レンタル、及び前撮り撮影の方向性として「シンプル」「ミニマリズム」を目指していきたいと考えています。
文化やアートはその時代時代によって様々な姿があり、流行り廃りを繰り返しています。シンプルであればシンプルであるほど時代に流されることがなく、結局はいつの時代にも受け入れられています。abitoとしてはそんな振袖と前撮りを一つのテーマとして取り組んでいく所存です。

全ては私の頭の中にあります。
まだまだ抽象的なイメージのままですが、少しずつ具体化し、実現へと進めていきます。
栃木は「田舎」というイメージが全国的に強い地ですが、中禅寺湖湖畔という日本全国に留まらず、全世界へ誇れる美しい景観とシンプル&ミニマリズムというある意味尖った振袖でイメージ払拭の一端を担うことを目指します。