虫干し

着物を虫干し

今年の酷暑の夏も今となっては遠い昔のことに感じるほど、最近はすっかり秋めいてきて過ごしやすい日々が続いています。

空気は乾燥し、涼しげな風がそよそよと吹いている・・・これは着物の虫干しに絶好のチャンス!しかも今日は雲ひとつない秋晴れ、しかも(残念なことに)ご来店予約もないので虫干しを朝一から実行しました。

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着物の虫干しは午前中から遅くとも午後3時くらいまで。それ以降となるとこの時期でも湿度が上がってきますからね。

そして何よりも大切なのは「日が当たらない場所」、「風通しがいい場所」で行うことです。
時間的には2時間くらいでOKだと思います。

今回はもちろん虫干しがメインでしたが、レンタルして頂く着物ですので一着一着の状態もひと通り確認しながらの作業でしたので思いのほか時間がかかってしまいました。今回虫干しできたのはレンタルの留袖を約60着。
当店にはこの2倍以上のレンタル留袖の他、付下げや訪問着、色無地など数多くのレンタル着物があるので虫干しが完了するまでまだまだ時間がかかりそうです。

今年は梅雨時期は雨が多く、夏は大変な暑さだったのでこの虫干しの作業は欠かすことなどできません。皆さんもタンスにしまったままの着物などをお持ちでしたら、今年だけでも虫干し、そして状態確認をされる事をおすすめ致します。大変面倒な作業ではありますが、大切な着物を長持ちさせるため、次の機会に気持ち良くご着用するためにも欠かせませんよ!

明日も虫干ししたかったのですが、ちょっと怪しい気候とのことでお休みとなりそうです。週末は忙しいので、また来週ですかね。
 

Stay Home!の今こそ虫干しの絶好のチャンス

ご自宅で殆どの時間を過ごす今、普段ではなかなか出来ないことをされている方も多いことでしょう。

凝った料理、ご自宅の掃除や片付け、ロープレゲーム、読書などいろいろありますが、湿度が低く、紫外線もそこまで降りそそぐことのないこの5月こそ、お持ちの和服を虫干しする絶好の機会です。

そうそう思いつかないことですし、例え思いついても面倒でついつい後回しになりがちな和装の虫干し。


でも今やっておけば暫く(半年)は時間的余裕が生まれますよ!

虫干しするわけ

そもそも何の為に虫干しをするかというと、「衣類にまとわりついた湿気を取り除く」ためです。本来であれば虫干しは年三回が望ましく、【梅雨明け】【初秋~秋】【1月~2月】とされています。

●梅雨明け⇒梅雨時期で湿気た衣類を乾かす
●初秋以降⇒夏場に取り付いた虫の駆除
●冬⇒乾燥した時期で乾燥に絶好の時期


「それじゃ5月は虫干しの時期ハズレじゃん!」

こう思われることでしょうけど、それでは毎年定期的に虫干ししていますか?前回虫干ししたのはいつですか?

殆どの方が前回和装を着用後、しまいっぱなしではないでしょうか?
それなら自宅で長く過ごすべき今こそやっておくべきだと思います。簡単ですから!

虫干しマニュアル

①まずは箪笥から和装を取り出し、状態を確認
②晴天の日を選び、風通しの良い部屋(日の当たらない部屋)に和装をハンガーに掛け衣類を広げ、3~4時間放置
③この間に衣類がしまってあった引き出しなどを乾いた布でアルコールで拭き、その後天日干し(短時間)

   ※桐はNG。また長時間に及ぶと変色、変形の可能性もあるので、乾かすだけでもOK
④防虫剤、乾燥剤とともに元に戻す

これだけです。
ただ和装の状態を確認して、【シミ】【汚れ】【カビ】【変色】【ひどい匂い】にお気づきの際は虫干しする前にクリーニング店にご相談される事をおすすめ致します。

最後に

いざ「和装を着用する!」となった際、もしかしたら虫に食われていたり、カビがついていたり、匂いが気になっても直前ではどうすることも出来ません。確かに面倒ではありますが、いつでも着用できるように定期的に確認と虫干しすることはとても大切なことです。

和装は丁寧に扱い、手間をかけて管理すれば一生物どころか何世代にも渡ってご着用頂ける衣裳です。

ぜひ今のStay Homeの期間に大切な和装にも目を向けて頂き、【最初に手にした時の思い】を思い出し、今後も長きに渡りご着用できるようにしてみてはいかがでしょう。
 

 

自前のお着物をお召しになる際の注意点

当店は貸衣裳店ですが着物一式をお貸し出しするだけでなく、自前のお着物に足りない小物などのお貸し出しもしております。

こういったお客様は年々増えている印象があり、着物の種類としては【留袖】【振袖】【七五三祝着】【付下げ】などが多いですね。ただお客様としては「何が不足しているか?」がわからないことが多いため、とりあえずはあるもの全てをお持ちいただき、当店で確認させて頂いています。

そして当店としてその際に気付くことがあります。

それは殆どの場合、お着物に「折しわ」があること。
長年箪笥にしまってあったのでしょう、そしてその上に他の物を重ねたままだったのでしょう。かなりの強めのしわが目に付きます。

当店としては「しわがあるので、お召しになる前にしわを取った方がいいですよ!」とお伝えしています。
ただ皆さん、どうやってしわを取ったらよいかがわからないんですよね。中には「クリーニングに出すべきですか?」と申される方も・・・・。確かにクリーニングに出すのも一つの方法がですが、費用が結構かかってしまいますよ!。

どうせクリーニングに出すのであればご着用された後が宜しいかと思います。


ではどうやってしわを取るのか?
簡単です、アイロンをかけるんです。但し、直接お着物にアイロンを当てては絶対いけません。溶けてしまうことがあり、そうなったら二度とお召しになることは出来ませんからね。
※刺繍がある場合、引っ掛けないようにご注意下さい
※柄の上は慎重にアイロンを当ててください

必ず「当て布」を使うことが肝心です。

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当店ではこのような薄手の木綿の当て布を使用しています。

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このように必ず当て布を上にしてアイロンを当ててください。

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アイロンは高温のスチーム多目で。
熱でしわを伸ばすというよりは、スチームの蒸気でしわを無くす感覚ですかね。

もちろん一ヶ所だけにアイロンを長く当てるのは避け、前後左右に動かしてください。また少し体重をかけるとより効果的ですが、火傷には十分にお気をつけ下さい。


本心ではお客様が持ち込んだお着物も当店でアイロンをお掛けしたい気持ちがあるのですが、やはりお客様の大切な衣裳です。何か不手際があった場合のことを考えると、気軽にお受けできるわけもありませんのでご理解下さい。


またもう一つ気になってしまうことがあります。
それは匂いです。その正体はご想像どおり、「樟脳」のあの独特の匂いです。
今では樟脳に比べてより効果的な商品もありますし、匂いもありません。当店でも匂いのしないものを使っているのですが、お客様方からすると匂いがあった方がより効果的だと思うのかもしれません。

またかなりの長期に渡って保管していた場合(今の樟脳が普及していない頃から)、そのまま匂いが染み付いている場合もあります。そんな時はお召しになるちょっと前から虫干しすることである程度匂いが取れます。
湿度の少ない季節に日光が届かない風通しの良いお部屋などで吊るしておくだけです。ちょっとしたしわなら取れる場合もありますからね。

ぜひお試ししてみてはいかがでしょう。

「意外と面倒くさい」
「自分には無理かも?」

・・・このようにお考えの方は貸衣装をご利用下さい♪
アイロンも虫干しも不要、不足の小物の心配無用!さらにはご着用後の手間入らずで面倒なことは一切ございません!!!

当店もお待ちしていますよ!