明日から10月と言うことで、秋も本番に近づいて来ました。
秋と言えば七五三の季節。
どんな衣裳にするか、親子で悩むのも楽しみの一つですね。最近では七五三の衣裳も古典的な柄だけでなく、様々なタイプがありますから選び甲斐があるという物です。
本来、和装は着付けによって着る方の体のサイズに合わせるものですが、七五三だけはちょっと違います。お子様の身体に合わせて、衣裳を補正することでジャストサイズでご着用するものなんです。
その補正も年齢によって変わります。
三歳の被布と七歳の振袖の場合は「裄」の調整、五歳の羽織袴の場合は「裄」に加えて、「羽織丈」も調節するのが本来です。
それぞれの調節についてご説明します。
まずは「裄」。
裄とは簡単に言えば手の長さのことで、お子様の場合は月齢によって裄の長さにもばらつきがあります。短すぎるとツンツルテンに見えてしまいますし、長すぎるとだらしなくみえるものです。節目のお祝いの衣裳ですから、きちっとピッタリサイズで着用したいものです。
画像で見るとわかりやすいですよね。
例えば10cm裄上げする場合、右で5cm、左で5cmと左右対称で調節します。
次に羽織丈です。
羽織丈の長さの基準は、お子様が着用した時に裾がちょうどひざ裏にくるくらいになる長さです。やはり羽織丈も短すぎても長すぎても宜しくないですからね。
羽織の場合、画像のように丈上げします。しっかりと縫うのではなく、軽く纏る感じですね。
また丈上げは衣裳の中に着る長襦袢もしなくてはなりません。
つまり着物と長襦袢の二つを丈上げするので、結構手間が掛かっているんです。
そんなことで、この仕事に「針仕事」は欠かせない訳です。
お子様の七五三、そして衣裳姿がより映えるようにチクチクとひと針ひと針心を込めているんです。
他のお店やフォトスタジオがどのようにされているかは全く分かりませんし、知りたいとも思いません。例え他がどんな感じであろうとも、当店は創業から変わることなくこの作業を続けていますし、今後も変わることはありません。
わたし達スタッフの想いが少しでも伝わっていると嬉しいのですが・・・・。