日頃仲良くさせていただいている宇都宮の手彫り高級印鑑を扱われている鈴印さんのあるブログを読み、ちょっとそれに乗っかった内容を綴りたいと思います。
その気になるブログはこちら
「仏滅」は悪い日なのでしょうか?
世間一般的には仏滅は「良くない日」という認識だと思います。鈴印さんが扱う印鑑もある意味「縁起物」と捉われることもありますから、仕上がった印鑑は仏滅に受け取りたくないと思う方が殆どだと思います。
当店が関わる婚礼や七五三でもその傾向は顕著ですね。
ちなみに六曜を良い日から並べるとこうなります。
大安>友引>先勝>先負>赤口>仏滅
人生の大切な節目である結婚式や七五三の日は良いとされる大安や友引を選びたいもの。その理由としてはもちろん「良い日だから」ということもあるんですが、その後の運命を左右されてしまうという強迫観念が強いのかもしれません。
例えば結婚式の日が仏滅だった場合、後々に離婚ということになったら「あ~やっぱり仏滅の日に結婚式をしたからだ」と思ってしまうし、周りからもそのようなことを言われてしまいますよね。でも実際、仏滅という日にそんな魔力があるとは思えませんし、科学的にありえません。
そもそも人生は「出産」から始まります。
この世に生まれたからには誰にでも誕生日がありますよね。でもそんな人生で最も大切な日の六曜を気にされている方ってほぼほぼいないですよね?
ちなみに先ほど調べましたら、私の誕生日は「大安」でした♪
生まれて来る日って選べませんし、現在でもお子さんが生まれた日の六曜を気にされるご両親ってあまり聞いたことがありません。そんなことより、無事生まれてくれたこと何よりありがたく感じることでしょう。
こう考えると、六曜を気にしすぎるのもどうなのかな?とも感じます。それを裏付けるものとして、浄土真宗の開祖である親鸞聖人は「日の吉凶を選ぶことはよくない」と完全否定していますからね。
とはいえ、一つの文化として現代まで伝わっているものなので考慮されるべきものであることは間違いありません。結婚や七五三に携わる仕事をしている当店としても「気にしなくて大丈夫ですよ~」とはお客様に言えるはずもありません。やはり気にする気にしないを決めるのはご本人です。
過去にはこんな結婚式の事例もあったようです。
詳細な時期はわかりませんが、多分昭和40~50年代のことだと思います。
この業界の先輩に聞いたことがあるのですが、この頃、敢えて仏滅に結婚式をされる方は少なく無かったそうです。この時代は現在に比べても、礼儀や格式を重んじることが良しとされていたのに不思議ですよね?
でも仏滅に結婚式をする理由を聞けば納得します。
「何故仏滅に結婚式をしたかというと、仏滅の次の日は必ず大安。つまり結婚式より、新婚生活の始まりの日が大安であることを選ぶ方がいたってことだね」
物事に捉え方は人それぞれ、そして価値観も人それぞれですね。
今や結婚式場でさえ、仏滅の結婚式を否定はしていません。いわゆる「訳あり」的な扱いで、費用はもちろん様々なサービスを付けて売り出しています。仏滅の日を選ばれる方はそれでも少数派だとは思いますが、そのメリットとしては「費用削減」はもちろんですが、大安や友引の日と違って競争率が殆どないので結婚式の日を選ぶのにもかなりの自由度があります。
七五三も同じです。
10月下旬から11月中旬にかけての土日の良い日はやはり集中し、着付けはもちろん、お宮参りの神社ですらごった返します。でも任意となりますが、敢えてそんな日を外せば全てがスムーズ。でもお子様に関わることですから、出来れば良い日を選びたいものですね。
一説では、この「六曜」というものはウェディング業界が敢えて仕掛けたものと言われています。大安や友引に結婚式を集中させると共に、「良い日」と「悪い日」を明確にすることでメリハリを付けたかったのかもしれません。お菓子業界が「バレンタインデーはチョコレート」と啓蒙してきたことと同じですね。
そもそも一定の間隔で良い日と悪い日が繰り返されるというのは科学的にも考えられませんね。いずれにしろ、気にする人は気にしますし、気にしない人は全く気にしません。あなたはどちら派でしょう?