最近は9月以降の結婚式に向けた、留袖やモーニングのレンタルのお客様がたくさんご来店されています。
いわゆる「ご両親衣裳」のレンタルには大きく分けて3つの方法が有ると思います。
一つは結婚式場で手配する(直営、提携の衣裳店)
二つ目は当店のような貸衣裳店を利用する
三つ目はネットレンタルを利用する
どれを選ばれるかはお客様次第ではありますが、貸衣装の利用に当たって、改めて大切だと感じるのが「試着」です。言い方を変えればサイズ合わせとも言えます。当店の場合は留袖もモーニングもご試着いただき、ご納得頂いてからのご契約となります。
つい最近のことですが、あるお父様がモーニングの試着の為にご来店くださいました。
ぱっと見は細いけど、筋肉質のご体型。長年の経験からAB3(身長で160cm前後、ウェストで80センチ前後)で問題ないと判断し、ご試着頂きました。パンツとベストはバッチリのサイズ、しかしジャケットは袖がかなり短くて問題外でした。
※ちなみにモーニングのサイズはY→A→AB→B→Eという横幅のサイズと2~9という長さのサイズがあります。
そこでジャケットのサイズをひとつ長いAB4にしてみたところ×。さらに上のAB5も×、AB6は袖の長さはピッタリでしたが身幅が大きすぎてガバガバでとてもお勧めできませんでした。そこで長さは6のままで、横幅を一つ下げA6というサイズで合わせたところ、これが一番でした。
これまでも上下のサイズが違うことはしょっちゅうありましたが、パンツとベストがAB3でジャケットだけがA6というかなりのイレギュラーな組合せは初めてでした。見た目はAB3なのにジャケットだけがA6になった理由の一つは「手の長さ」、それに加え肩から上腕二頭筋がめちゃくちゃ発達されていて、その太さで長さを取られてしまったことが原因でした。
もしお体のサイズだけで当日モーニングを用意したら、あまりにも身体に合っていなくて開始前に慌ててしまったことでしょう。やはり事前のご試着は大切なことだと思います。
冒頭のネットレンタルでは試着は出来ませんし、式場の場合も試着できずに当日を迎えることも有るようです。今回の場合は特殊な例ではありますが、「腕が長い」「胸囲がすごい」「足が長い」「お腹の出具合がびっくりレベル」など数字では表れないものがあります。
ご家族にとっても誠に大切な一日である結婚式。
事前に試着することで、当日を安心して向かえることが出来ます。これはモーニングに限った事ではなく、留袖にも言えることです。
やはり手の長い方は想像以上に多いですし、どんなに素敵な柄の留袖でもきちんと試着しないと本当の雰囲気はわからないものです。ネットレンタルは安くて便利かもしれませんが、そこにはなかなか気付く事の出来ないリスクもあることも事実です。
繰り返しになりますが、どこで衣裳をレンタルするかはご本人次第。
お父様として、お母様として結婚式に臨む機会はほんの数回しか有りません。もちろん安く、簡単に、勧められるがままに衣裳を決めるのもいいですが、やはり手間を掛けただけの「安心」があることも知っておいて頂きたいと思っております。
想像以上に、本当に試着は大切ですし欠かせません。
私なら絶対に試着しますし、当日に慌てるような思いは絶対にしたくないです。