その昔、記念の写真撮影においては「自分達らしさ」「楽しさ」は排除されていたと思います。
背筋はピンと伸ばし、笑顔ではなく感情のない表情、完全なるカメラ目線と三拍子揃った撮影でした。もちろんその当時の価値観ではそれこそが正解であり、特別なものだったのでしょう。
時は流れ、時代が変わり、今は撮影もめちゃくちゃ変わりましたね。
前時代の価値観はもはや過去の遺物。
求めるものが変わりました。
撮影される側だけでなく、提供する私たちも前時代の価値観は持ち合わせていません。ただその時代の張りつめたような雰囲気の写真も、現代においてはある意味COOLなものとして捉えられてもいます。たくさん撮影するなかでの一つのコンテンツとして存在しているといえます。
一方でこんな家族写真も素敵ですよね。
ご自分達らしさ全開の家族フォト。
昔であれば間違いなくこういった撮影は求められませんでしたし、応じませんでしたし、想定することすらなかったでしょう。ちょっとおふざけが入り、敢えてご家族それぞれの影を入れるなんてありえないものでしたが、今の時代からすると全然アリどころか、何なら「これ素敵!」と思っていただけるのではないでしょうか?
ご家族のご希望で、アルバムにはこちらの写真をお入れして作らせていただきました。
完成したアルバムはこの写真があるからこそ、ご家族の「色」が際立ったと感じました。とてもいいアルバムに仕上がり、大変喜んで頂けました。
記念写真はその昔は「誰かに見せる」ことを想定し、当たり障りのないことが絶対条件だったのかもしれません。でも基本的に記念写真は誰かに見せる為の物ではなく、自分達が見返した時に懐かしさを感じたり、思い出に浸ったりするものです。
自分達が残したいように、好きなようにすることが一番だと思います。