婚礼和装と一口に言ってもいろいろと種類があるんです。
花嫁衣裳では白無垢、色打掛、大振袖、黒引き振袖。花婿衣裳で言えば紋付袴が良く知られています。
これらの他にも十二単、衣冠束などもありますが、やはり一番知られるのは白無垢と色打掛ですよね!
白無垢はシンプルですが、神聖であると同時に清廉さも兼ね備えた衣裳です。
一方、色打掛は華やかさがあってとても魅力ある衣裳ですね。
さてこの白無垢と色打掛は基本的な形はほぼ変わりません。もちろんひと目でその違いは分かりますが、実際に着てはじめて分かる違いもあるんですよ!
それは重さです。
答えを先に言ってしまうと、「色打掛のほうが重い」が正解です。
畳んだ物を持っただけでは分からなくても、白無垢を着た後に色打掛を着ると、その重さの違いを体に感じるはずです。同じ形、同じ素材であるのに何故重さが違うのでしょうか?
実は白無垢に比べて、色打掛は刺繍の数が段違いで多いんです。「刺繍くらいでそんなに重さって変わるかな?」と疑問に思うかもしれませんが、打掛全体に施された刺繍では想像以上の本数の糸が使われています。
ちりも積もれば山となる・・・・ではないですが、その重さの違いを感じるほどに刺繍がされている訳なんです。
この重さは物理的な「糸の重さ」というだけでなく、長きに渡って伝承される「技術」「文化」「伝統」の重さでもあると思っています。
そんな「重み」「重さ」を感じながら色打掛をハレノヒにお召しなることで、特別な日がよりいっそう特別になるはずです。
打掛は重くて、動きづらくて、着るのも大変な衣裳です。しかし重みがあり、動きづらさの中に美しさがあり、着付けに時間がかかるからこそ特別な衣裳でもあるわけです。
日本の美を感じ、日本人としての美しさを放ち、世界に誇れる婚礼衣裳です。そして打掛は結婚の時だけのとびっきり特別な和装です。その機会を逃すと殆どの場合、「一生着ることができない」ので結果はともかく、結婚式で和装を着るという選択肢も是非ご検討下さい。
打掛を着る事で、日本人としての自分、新しい自分を改めてしる最高の機会だと思います。