日本料理に学ぶ
講師は宇都宮で日本料理店を経営され、長年に渡って市内の高校で
講義をされている安野さんという方です。何と私の従兄弟と同級生とのこと。
仕事柄「和」というものと切っても切れない関係の私にとっては大変興味深い
ものでした。
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四季を感じる
日本には目で見え、耳に聞こえ、肌で感じるはっきりとした四季があります。
日本料理ではこの四季を味覚で感じることができるそうです。
季節をもっとも感じさせてくれるのは最初に出てくる「前菜」です。
旬のものをふんだんに使っているので、すぐに口に運ぶのではなく、季節に
応じて使用される器を目で楽しみ、そして季節の香りを楽しんでいただきたい
とのことでした。
日本料理店には庭園があるところが多いですよね。
この庭園も季節を楽しめるように存在しているんです。座敷に座った目線で
一番綺麗に見えるように庭園は配置されています。
香りを感じ、目で庭園を見て、旬の味を楽しむ・・・これが日本料理を最大に
楽しむ極意です。
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コミュニケーション
どんなに料理が美味しくて、料理を出す側がいろんな配慮をされても、受け手
つまりはお客側に準備が出来ていないと意味を成しません。
所謂マナーですね。
日本料理をいただく際には様々なマナーがあります。これは食事のマナーだけ
ではなく、所作のマナーも含まれています。
お箸は出来るだけ、汚さない。
食事を食べるスピード(熱いものは熱いうちに)
わさびの付け方
ふすまの閉め方
靴の脱ぎ方
お話を聞いている限り、中でも最も大切なのはお店に伺う前に「予約」をするこ
とと感じました。
お店側は予約をいただくことで万全にお迎えの準備が出来ますし、どんな
お席なのかが把握できます。この時、苦手なものを申告することもできます。
お客側は情報をお伝えすることで「安心感」を得ることが出来ます。
こういったお店側のマナー×お客側のマナーやお互いに情報を伝え合う
コミュニケーションは全ては料理を美味しくいただくためです。
普段行くようなレストランや定食屋のように気軽ではないですし、高いお金を
出してマナーに縛られるのはちょっと・・・と思う方も多いでしょう。
でもそれが日本の文化なんです。文化を楽しむのは大人の嗜みなのかもしれ
ません
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和装との共通点
和装の文化も似ていると感じました。
着物は季節によって「袷」「単衣」「絽」といった生地の違うものが存在し、柄も
季節に応じたものが描かれています。
普段の洋服と違い、立ち方・座り方・歩き方は制限されますが、その制限された
動きの中にこそ和装の美しさがあります。
日本料理と同じでいろいろと手間がかかりますが(着付けなど)、だからこそ
価値があるのです。
こう見ていくと、日本の文化は【手間】が肝なのかもしれません。
ハガキや手紙での「拝啓・・・・敬具」などもその一つでしょうね。
所謂「おもてなし」というのも手間をかけてこそなのですが、あくまでもそれは
受け手側に感じさせてはいけません。
そしてお店側もお客側も対等であることがとても大切だとも感じました。
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知っているようで知らないこと
後述となりますが、聞いたことはあるけど忘れがちな日本料理をいただく
時の知識を書いておきます。
フランス料理は「土の料理」、中華料理は「火の料理」、そして日本料理は
「水の料理」と言われています。
日本料理店で出てくるメインディッシュは「御椀もの」、つまりお吸い物です。
やはり水が大切ですね。
そして御椀の蓋をどうしたらいいかは何度かは聞いたことがあるけど覚えて
いますか?意外と忘れてしまうんですよね。
まずは御椀の漆器を目で楽しみ、蓋を開けます。蓋は裏返しにしてお膳の
空いているところへ置き、そして香りを楽しみます。
次に一口お汁を飲み、そのあと具をいただきます。熱いうちが大変おいしい
お料理なので、熱いうちに召し上がってください。
食べ終わったら、【出てきた状態】つまり普通に蓋をする・・・これが正解だ
そうです。
またわさびに関してですが、白身魚など割と淡白なお刺身の場合はわさびを
お魚にのせて、トロなど油が強いものにはわさびを醤油に溶かして食べると
より美味しく感じることが出来るそうです(マナーではありません)。
つまり白身魚⇒トロの順番でいただくのがベストとのことです。
機会が合ったらお試しくださいね。
今日のブログはかなり長めになってしまいましたが、ちょっとみなさんのお役に
立てたのではないかと思います。
最後に・・・
講師をしてくださった安野さんの身だしなみ、ゆっくりと語りかける口調、醸し出す
雰囲気などを見て、安野さんのお店は絶対に間違いないお店だと確信しました。
店構え、価格、料理、サービスなどももちろん大切ですが、やはり上に立つ者の
自信と信念が最も大切であり、それを人は見ていると思います。
高級店なら高級店らしい、庶民的な店には庶民的な言動が大切ですね。
庶民的なお店で最大級のおもてなしをされても困りますし、高級店で杜撰な
扱いは受けたくありませんからね。
本当にいろいろと勉強になりました。
今後、安野さんのお店と新しい和婚を構築できないかと密かに目論んでいます。
最後になりましたが安野さんのお店は清原にある「茶寮 やすの」さんです。
私も近いうちに一度お邪魔したいと思っています。