創業から30年の間にはいろいろな失敗がありました。大きなものもあれば小さなものも・・・。
会社として「失敗」するということは、最悪の場合は継続が出来なくなることもありますがお陰
さまでそこまで至る失敗はこれまではありませんでした。
しかし良かれと思って挑戦したにもかかわらず、何の結果を出すことも出来なかったことなんて
いくらでもあります。結局、出費だけがかさむという典型的な失敗ということです。
弊社が実際に体験した2つの失敗を書き綴りたいと思います
時代を先取りした「レンタル価格均一」のドレスショップを出店して失敗
15年以上前に競輪場どおり沿いに「ドレスレンタル10万円、タキシードレンタル5万円」という
均一価格のドレスショップを出店しました。
お店の名前は「garb the bridal」
この頃、ウェディング業界はまだまだ元気でドレスなどのレンタル価格も強気でいけてた時代。
そんな中、県内では初めての安価で分かりやすい価格設定のお店を出店しました。
業界に一石投じようと始めたのですが、今思い出して見ると毎日のように閑古鳥が鳴いていました。
失敗の原因はいくつかありますが、簡単に挙げてみるとこうなります。
・競輪場という常に混雑する道路沿いは出店にそぐわない立地であった
・駐車場は台数が少なく、しかも止め辛かった
・店舗が小さすぎてごちゃごちゃしすぎていた
・何より安価なレンタルドレスを求める花嫁がいなかった
ま、結果論ですけどね。でも出店時は立地も駐車場も全て折り込み済みで、それでも「この価格な
ら、引き合いは多いはず」と目論んでいました。しかしこの目論見こそが最大の失敗だったと分析し
ています。
そして時は流れ・・・・
またしても均一価格のお店を出店して同じ失敗を繰り返す
いまから約5年前にまたしても同じような均一価格のお店を出店しました。
お店の名前は「ange(アンジェ)」
garbが10万円の均一価格だったのに対し、angeでは確か89,000円(だったような・・・)と更に
安価な価格設定にしました。「また同じことの繰り返し」と思われるでしょうが、この時代はウェ
ディングにも変化が現れ、「低予算、少人数」を求めるカップルも増えてきた頃です。
※98,000円でしたね
「今こそリベンジするときじゃぁ~」
しかしやはり失敗し、約一年で撤退、閉店となりました。2回目ですから、時代とか物理的なことを
いい訳にはできませんし、1回目よりとても悔しい思いをしました。失敗の理由を考えても考えても
いまだに明快な答えを得ることは出来ていません。
しかし敢えて言うのなら、「お客様のニーズ」を捉えきれていなかったことだと思います。
失敗から学んだこと
とりあえずこの2回の失敗で学んだことはいくつもあります。
・均一価格のレンタルドレスショップは時代に関係なく魅力的でない
・お客様のニーズは「安さ」ではなく、「満足感」
・新店舗の宣伝広告費は出し惜しみしてはいけない
・中途半端な出店は失敗の元
・継続できる余力を残して出店せねばならない
本当はまだまだあります。そしてこの失敗から学んだことは今に活かされつつあります。
例えば「満足感」。
「安さ」というものは消費者にとって魅力のひとつではありますが、それだけでは満足されないもの
です。同じ安さでも満足感を与えることが出来れば結果は違ってきます。
そして生まれたのが、当店で人気のプラン「借り放題プラン」。
ドレス一着だけでなく、着数、他の衣装、男性衣装などが選び放題!・・・だけどプラン価格は30
万円ととってもお値打ちになっています。
また「22安心プラン」も好評です。
こちらは22万円で【新郎新婦衣装各一着ずつ】+【親族衣装4着分】の合計6着をレンタルして頂ける
プランとなっています。
この2つのプランは「安さ」だけでなく、「満足感」も感じて頂けているようです。やはり何事も
「徹底的」にしなければ注目されません。中途半端は意味がありません。
まとめ
「失敗は成功のもと」とも言われ、世界の成功者も失敗を繰り返して成功を掴み取ってきました。
要は失敗を如何に次に活かしていくかが何より大切なんですね。そして成功者たちは過去の失敗を決
して隠し立てしたりせず、公表しています。
当店もそれに習い、今回公表しました。
過去の失敗の公表は決して現在の足を引っ張ってしまうものではなく、逆に信頼を人々に与えてくれる
ものであると思います。苦しみや痛みを知った人間こそ他人に優しくなれるのと一緒で、失敗を重ね
た人ほど言動に深みがありますからね。
SNSや自己紹介の場で自分を大きく見せることばかりすると、やがて人は離れ、信用されなくもの。
北があるから南がある、+があり-があり、楽があるから苦もあるのが人生であり、世の中です。いろ
んな面を持っている人こそ味わいがあるもの。お店や会社も一緒ではないでしょうか?