結婚式、成人式、卒業式、そして七五三と節目のお祝いごとには写真撮影は欠かせない時代となりました。
いずれのお祝いごとにおいても「写真だけ」とされる方も少なくありません。「結婚式はやった方がいい」「成人式は出るべきだ」などという意見もありますが、この流れは変わることはないでしょう。また前撮りという形でじっくりと記念の写真を撮るサービスはもはや定番化しています。
そう、写真撮影はこの日本において慶事においての文化となったわけです。
みなさんも結婚式や七五三を迎えるに当たっては「記念撮影」がまず頭に浮かぶのではないでしょうか?
そして優先順位を考えると「素敵な写真を撮ってもらいたい」がやはり最上位だと思いますが、価格やプラン内容も気になるところではありますよね。でもこういった撮影って人生でほんの数回のことですので、悪い言い方をすれば「情報弱者」のままで問い合わせたり、契約してしまう方は多いんです。でも同じ【七五三前撮り】や【打掛フォトプラン】でもお店によって価格も違うし、内容も違ってきます。ほんとお店によってはお客が情報弱者であることをいいことに、自分たちの都合の良いように誘導してしまうこともあるんです。
そこで大切な記念撮影で賢い撮影プランの選び方、そして注意すべき点をアドバイスしたいと思います。
【プラン価格】
価格はお店によって様々ですが、最も気にするべきはウェブサイト等に価格を掲載しているか否かということです。特に婚礼の撮影においては価格を掲載していないことが多いのですが、これもお客様が情報弱者であることを前提にしています。一度きりの撮影ですから経験がない=価格がわからないということ、そして他店と比較させないようにしている訳です。こういうお店にありがちなのが「まずはお問い合わせ下さい」という文言があるということ。
つまり自社のサービスを気に入ってもらうことより、お客にアクションを起こさせることを最重要課題にしているわけです。
価格を掲載していない場合は例えばこんなこともできてしまいます。
お客 「撮影プランの価格を知りたいのですが?」
お店 「10万円になります」
お客 「はぁ、そうですか」(ちょっとネガティブ気味)
お店 「今日から一週間内のお申し込みで半額になります」
お客 「そうなんですか!それじゃ一度伺います」(超ポジティブ)
一見、何の問題もない会話になりますが元々の価格を公表していない訳ですから、10万円という価格はいくらでも操作できます。もしかしたら設定金額は本来4万円かもしれない可能性も否めませんね。これもリピートがないからこそできてしまうこと。価格を掲載していないお店の場合、十分に確認をすることをおすすめ致します。
【プラン内容】
①衣裳
記念の撮影プランの多くには「衣裳」が含まれています。ウェディングだったら「新婦衣裳1着+新郎衣裳1着」、成人式だったら「振袖1着」という具合です。でもお店によってはプラン価格では選べる衣装がごく僅か(5着くらい)の場合があり、殆んどの衣裳が『ランクアップ商品』としてオプション設定にしていることがあります。このランクアップの価格が結構値が張る場合が少なくありません。つまりオプションありきのプランとも言えます。
例えプラン価格が他店より安くても、結局はオプション追加で高くついてしまうこともあります。
こんなことがないように、まずはお店に「選べる衣装はどのくらいあるんですか?」「ランクアップ料金はいくらですか?」ということを確認することが大切です。
②撮影
プラン内容に撮影は必ず含まれるものですが、お店によっては本当に撮影だけしか含まれていない場合があります。わかり易く説明すると「撮影」とは撮影するだけで、データや写真、アルバムが一切含まれていないということです。つまりそれらは全てオプションとなり、別料金が発生する訳です。
「撮影+六切り2枚」とか「撮影+画像10データ」とかなら安心ですが、「撮影代」しかプランに含まれていない場合はお店に確認をするべきですね。そういった場合、当初の予算をかなりオーバーすることが多いのでご注意下さい。
③全データ付き
特にウェディングのロケーションフォトプランで多いのがこの全データ付きというサービス。
お二人としては例え目を瞑ってしまったものや、ある意味どうしようもない写真でも記念としてデータは欲しいと思うのは当然です。しかし全データとなるとお店によっては500カット以上となり、データの合計サイズは膨大なデータ量となります。PCによってはそれだけで動きが遅くなってしまうことも。
デジタルカメラで撮影したままの画像は、昔のフィルムカメラで言えば現像前のものと言えます。本来ならば撮影した画像一枚一枚に対してフォトショップなどで調整(明るさなど)したり、不要なカットを削除したりとひと手間もふた手間もかけるものなんです。しかし全データの場合は殆んどの場合、そういった作業が省かれます・・・つまり撮りっぱなしのままでの提供になるんです(これがクレームの元になるんですけどね)。
だいたい手間を省いた画像データは綺麗じゃないですし、クオリティーが低いままです。
また膨大な数のなかから写真素人の方がウェルカムムービー等に使用する画像を選びぬくのは大変な作業となります。記念の写真はやはり量より質を求めることが後々のご自分たちの為となることは間違いありません。量を求める方にとってはありがたいサービスですけどね。
④ウェブサイト・チラシ等で使われている宣伝画像がモデルさんの場合
宣伝等に綺麗な、カッコイイモデルを起用するのはごく普通のこと。いかに商品をよく見せるかってビジネスの基本ですし、ビジュアルも華やかになりますからね。しかし撮影プランの宣伝の場合は少し気を止めることも必要となります。
モデル撮影の場合、時間的余裕もあるので普段では行なわない撮影をする場合が殆んどです。ライティング調整はもちろん、ヘアメイクも普段とは比較にならないような時間をかけますし、衣裳だって無制限です。ましてや撮影されることを仕事にしているモデルさんですから、撮られ方も十分に熟知しているので、総合的にクオリティーが極めて高い写真となります。
でも本来、実際に実現可能なサービスをお知らせすることが何より大切なのではないでしょうか?モデル撮影のクオリティーを求めるとなると、それは完全オーダーメイドとなるので提供しているプラン価格ではまず実現不可能です。アパレルの洋服などと違って、あくまでも商品は写真ですから実際に撮影可能な形をご提案すべきではないでしょうか?
最後に
結局のところ、結婚式にしても成人式にしても七五三にしても一生に一度のこと。
つまりリピートすることはまずありえません。レストランやホテルなど人生のうちで何回も利用する場合は「前回はあーだったから」「この前凄く良かった」とかの経験ができ、それを活かして次回はより良い選択ができます。しかし一回だけとなるとそういうわけには行きません。しかも費用もそれなりの出費を伴う訳ですから、サービスを提供する側以上に賢く対処していきたいですね。
レストランやホテルのようにネットの口コミが少ない記念撮影サービスですから、まずは情報収集が何よりも大切です。一生の思い出、そして財産となる記念写真をご検討中の方々に少しでもこのブログが役立つことができたら幸いです。