「振袖」というお着物では真っ先に成人式を思い浮かべますよね。
確かに成人式において、女性が着用する衣裳の九割以上が振袖ですし、今の時代においてはその時くらいしか振袖を着る機会はありません。
しかしそもそも振袖は成人式だけのための衣裳ではないことをご存知でしょうか?
振袖は和装における未婚女性の最上級の礼装(第一礼装)です。
成人式は冠婚葬祭の「冠」にあたり、人生の中でも大切な節目の一つです。そう言ったこともあり、自ずと振袖を着用することが当たり前になっていたのは極自然なことなのでしょう。
ひと昔前はこんな時にも振袖を着たものです
繰り返しになりますが、現代において殆どの方が成人式でしか振袖を着ることはないと言えます。
しかしひと昔前(と言っても平成初期頃まで)は成人式以外にも、ご結納や結婚式のお呼ばれでも振袖を着用することが少なくありませんでした。あ、あとお見合いもですね。
最近はご結納されることも、お見合いも少なくなりましたし、お呼ばれでも洋服を選ばれる方が殆ど。こういった背景もあり、振袖=成人式というイメージが増幅されていったものと考えられます。
最近増えている結婚式のお呼ばれでの振袖の着用
何でもそうですが歴史は繰り返すものです。
今年に入って成人式以外で振袖をご利用される方が増えているのですが、目的は結婚式でのご着用です。ただ以前と違うのは「ご友人」としてでなく、新郎新婦のどちらかの「妹」としての着用です。
ご利用いただくみなさんは「また振袖が着ることが出来て嬉しい!!」と大変喜ばれています。
結婚式で振袖を着用する注意点
最近の振袖には様々なタイプのものがあり、色もバリエーション豊かです。
しかし結婚式においての主役は新郎新婦であることを忘れてはいけません。
出来ればご自分の気に入った振袖を着たいと思うものですが、やはり「結婚式」にそぐわないタイプの物は避けた方が賢明です。
おめでたい色の赤×古典柄の振袖なんておすすめです!
白ベースでスタイリッシュな雰囲気の振袖はちょっと・・・△ですね。
まず色は「白」は避けるべき。
結婚式において白という色は花嫁だけに許された色と言われています。
あまりにキュートすぎる振袖も△
成人式ではOKでも、それ以外の時は△という風合いの振袖もありますのでご注意下さい。
つまりあくまでも参列する側であることを念頭におくことが大切なんですね。
振袖を着ることは新郎新婦、ご両家に対しての敬意でもある
振袖は未婚女性の最高礼装であり、華やかなお着物です。
格の高い衣裳を身にまとった方がいると結婚式の格も上がりますし、振袖はその場の雰囲気を華やかにする魅力のある衣裳です。それはつまり新郎新婦やご両家に対しての敬意の表れとも言えるのではないでしょうか?
お祝いの気持ちを着用する衣裳で表現できる奥ゆかしさは継承されるべき伝統であり、文化なのかもしれません。
最後に
振袖だけでなく、和装全般に言えることですが、洋服に比べて本当に面倒でお金のかかる衣裳であることは間違いありません。
着用するたびに【着付け代】【ヘアセット代】がかかりますし、振袖をお持ちでない場合はレンタル代も必要です。合計すると想像以上の出費となり、足がすくんでしまって当然です。振袖ってお金がかかるんです。
しかしだからこそ絶対の価値観があり、伝わることがあるんです。
受付に振袖姿の方がいたら素敵じゃないですか?
円卓に振袖姿の方がいたら華やかさ抜群じゃないですか?
ご両家のご親族に振袖姿の方がいたら「ひと味違う!」と思いませんか?
お金のかかることですから、結婚式の度に振袖姿は厳しいですが、大切なご家族や大親友などのここ一番の結婚式でのご着用はいかがでしょう。きっと喜んでくださるはずですし、貴方ももう一度振袖姿を楽しみたい願望が心の奥底に眠っているかもしれませんよ!