毎年のように酷暑となる日本の夏。
皆さん、夏物じゃない衣裳で無理してませんか?
結婚式場などではもちろん空調設備が整ってはいますが、それでも多くの人々が集まる熱気と照明器具などで思った以上に涼しくなく、暑がりの方にとっては苦痛を感じることもあるのでは?
またせっかくのおめでたい一日も暑さで気分が悪くなったり、熱中症になってしまっては台無しになることも。
日本の酷暑に対してもリスクヘッジは不可欠です。
自分の身は自分で守り、おめでたい一日をより快適に過ごしたいものです。やはり暑い夏には暑さを和らげ、見た目にも涼しい衣裳を着用することで周りの方々への「おもてなし」となる夏用衣裳がおすすめです。
【ご用意している夏用衣裳】
■留袖
中の長襦袢の白がほんのり透けることで、涼しげな印象を与えてくれます
新郎新婦のお母様の衣裳である留袖にも夏物をご用意しています。
軽く・薄く・通気性が良いので通常の留袖より大変涼しくお過ごしすることが出来ます。お立場上、何かと動き回ることの多いお母様には式の最後まで笑顔で過ごせるように夏物の留袖をおすすめいたします。
見た目にも涼しく、ゲストの方々の目にも爽やかに優しく映ります←これとっても重要です!
■モーニング
お母様に比べて暑がりのお父様って多いですよね。
緊張されるお役目もあり、出来るだけ快適な気分でいたいものです。夏用モーニングは留袖同様に軽く、薄く、そして通気性に優れている為、空調の涼しさを感じやすいので本当におすすめです。
■付下げ
結婚式のゲスト用として、または夏のお茶会などにおすすめです。
■喪服(女性用和服)
告別式ではご親族は暑い外へ出たり、移動したりと炎天下に晒されることも多く冬用の喪服だと夏は大変危険です。
無理に我慢して具合が悪くなってしまうと、式後の様々な手配や事務処理も滞ってしまいます。
■礼服(男性用)
黒スーツのシングル・ダブルでも夏物をご用意していますが、扱っていないサイズもございますので前もってお問い合わせください。
■その他の衣裳
サイズに限りはありますが、黒の羽織でも夏用をご用意しています。
また夏用ではありませんが、夏の花嫁和装としておすすめなのが「オーガンジー打掛」。
通常の打掛とは段違いの涼しさを感じることが出来ます。
他の夏用衣裳と違わず、薄く・軽く・動き易く、そして見た目にも夏らしさを演出できるのでとってもおすすめです。
日本は古来より季節と上手に向き合う文化を発達させて来ました。
食事でも衣服でも「見た目」で涼しさを演出したり、風鈴の音で聴覚から涼を感じたりと趣がとても深く、世界に誇れる文化です。確かに文明の進化で冷たい食事やクーラーなどは今では当たり前の存在となっていますが、やはり「視覚」の涼しさを外すことは出来ません。
この夏は着心地、そして見た目でも涼しい衣裳で大切な儀式を迎えて見てはいかがでしょうか?
これまで紋付袴は結婚式などのごく限られた時のみに着る衣裳としてされてきましたが、最近では成人式や七五三においてのお父様の衣裳としても着て頂く機会が増えてきました。特に黒の羽二重の羽織、そして仙台平の袴の組合せは男性和装の最高礼装なので、慶事はもちろん弔事でも着て頂くことが可能です。
つまり思っている以上に融通の利く和装なんです。
現在はこのように着る機会が多くなったことで、「機会があったらぜひ着用したい!」という方も少なくないはずです。やっぱり和装を着るとなんていうんですかね、「日本人で良かった」とか「身が引き締まる」とかポジティブな想いが頭の中に駆け巡ります。そんなこともあり是非積極的に着て頂ければ、衣裳店としては嬉しく思うわけです。
もし「そんな機会」が訪れたときに知っておきたい4つのことをお知らせしたいと思います。まずは注意すべき箇所の画像です。
衿元、前身頃の家紋、袖口、裾の4箇所です。
➀衿元
画像でお分かりのように、意外と開きがちとなります。和装下着である肌襦袢を着て頂ければ問題ないのですが、実際肌襦袢をご用意される方は少ないもの。その場合はクルーネック(丸首)の下着ではなく、ブイネックもしくはUネックなどの開きが深い下着をご用意してください。
下着が見えたらとてもかっこ悪いですからね。
➁前身頃の家紋
こちらの画像は悪い例なんです(笑)
何故かと言うと、ほとんど家紋が出ていないからです。撮影する際にはこの家紋が見えていなければなりません。もちろん注意すべきなのは撮影側なのですが、お客様も注意して頂ければと思います。
またレンタルの場合、この家紋はいわゆる見栄えの良い家紋が予めあしらわれています。もしご先祖から代々受け継ぐ家紋にこだわりをお持ちであるのであれば、レンタルする際にお店の方に相談してみて下さい。
貼り紋というシール様式の家紋を元々ある紋の上から貼ることで、そのこだわりに対応することができます。しかし家紋によっては時間がかかることもあるので、できるだけ早めに相談することがおすすめです。
③袖元
必ず不可ということではありませんが、できるだけ紋付袴を着用する際には腕時計は外されたほうが粋だと思います。シンプルに着こなしてこそ和装はかっこいいものですからね。また袖の長さは短いくても長すぎてもいけません。
そして紋付袴を真冬に着るときもありますよね?
この袖口から冷たい空気が入り、そのまま体温調整を司っている脇に流れると想像以上に寒さを感じます。なので冬の場合は寒さ、そして風対策としてヒートテックのような長袖を身に付けることをおすすめします。
でも外から見えないように多少まくったりして、長さの調整をされることもお忘れなく。
④袴の裾
この裾の長さも重要です。
まずは軽く足を開いた状態でも足袋の上部が見えないようにすること、そしてまっすぐ立った状態で袴の裾が足の甲につかない長さがおすすめです。また階段などを上がる際には袴を踏んでしまったり、引っかかったりして下にずれてきてしまうこともあるので、上がる際には両手で袴を持ち上げてください。
また袴は男性にとって違和感を感じる衣裳です。
なぜなら普段では絶対に履かないスカートのようなものなので、スカスカして何となく落ち着きません。そしてこちらも冬の場合は寒さを大きく感じます。
やはり冬の場合はヒートテックのような寒さ対策は欠かせません。真冬ならば一枚でなく、二枚重ねをしてもいいくらいかもしれません。
紋付袴は日本の伝統的な衣裳ではありますが、現代においては非日常のものです。
一生に一度か二度くらいしか着る機会がないものですから、わからないことがあるのは当然の事です。でもどうせ着るならかっこよく着こなしたいものですよね。そして季節に合わせた工夫があってこそ快適に過ごせるものです。
非日常の衣裳について知らないことは全く恥ずかしいことではありませんから、ちょっとでも不安なことがあれば専門家に気軽に相談してみましょう。是非何かの折にはこの紋付袴を着て頂き、日本人ならではの喜びを感じて頂けたらと思います。
婚礼和装と一口に言ってもいろいろと種類があるんです。
花嫁衣裳では白無垢、色打掛、大振袖、黒引き振袖。花婿衣裳で言えば紋付袴が良く知られています。
これらの他にも十二単、衣冠束などもありますが、やはり一番知られるのは白無垢と色打掛ですよね!
白無垢はシンプルですが、神聖であると同時に清廉さも兼ね備えた衣裳です。
一方、色打掛は華やかさがあってとても魅力ある衣裳ですね。
さてこの白無垢と色打掛は基本的な形はほぼ変わりません。もちろんひと目でその違いは分かりますが、実際に着てはじめて分かる違いもあるんですよ!
それは重さです。
答えを先に言ってしまうと、「色打掛のほうが重い」が正解です。
畳んだ物を持っただけでは分からなくても、白無垢を着た後に色打掛を着ると、その重さの違いを体に感じるはずです。同じ形、同じ素材であるのに何故重さが違うのでしょうか?
実は白無垢に比べて、色打掛は刺繍の数が段違いで多いんです。「刺繍くらいでそんなに重さって変わるかな?」と疑問に思うかもしれませんが、打掛全体に施された刺繍では想像以上の本数の糸が使われています。
ちりも積もれば山となる・・・・ではないですが、その重さの違いを感じるほどに刺繍がされている訳なんです。
この重さは物理的な「糸の重さ」というだけでなく、長きに渡って伝承される「技術」「文化」「伝統」の重さでもあると思っています。
そんな「重み」「重さ」を感じながら色打掛をハレノヒにお召しなることで、特別な日がよりいっそう特別になるはずです。
打掛は重くて、動きづらくて、着るのも大変な衣裳です。しかし重みがあり、動きづらさの中に美しさがあり、着付けに時間がかかるからこそ特別な衣裳でもあるわけです。
日本の美を感じ、日本人としての美しさを放ち、世界に誇れる婚礼衣裳です。そして打掛は結婚の時だけのとびっきり特別な和装です。その機会を逃すと殆どの場合、「一生着ることができない」ので結果はともかく、結婚式で和装を着るという選択肢も是非ご検討下さい。
打掛を着る事で、日本人としての自分、新しい自分を改めてしる最高の機会だと思います。