ウェディングドレスや打掛などのいわゆる「婚礼衣装」のレンタルをしているドレスショップ、または貸衣裳店の殆どは少なからず結婚式場と提携してるの現状です。「結婚式場からお客様を紹介してもらう」というこのビジネスモデルは昭和の時代から続いているものです。
「どこの結婚式場と提携するか?」
「いくつの結婚式場と提携するか?」
この2つが会社の成長、売り上げを左右するといっても過言ではありませんでした。そりゃ~結婚式の数がハンパなかったですし、衣装も新婦が4着着るなんて珍しくなかった時代ですからね。いわゆるBtoB(企業間取引)がメインだったわけです。
当店abito(当時はまだブライダルファッション楓)も他に漏れずに多くの結婚式場さんと提携してましたよ~。最盛期には同時に6つの結婚式場と提携していましてメッチャ忙しかったようです。※この私は入社前なので実体験してません
しかし時は流れに流れて、平成29年の現在は提携結婚式場はほぼ0♡
「ほぼ」という表現を使ったのには諸事情がありますが、詳しくは割愛させてください(大人の事情)
6⇒0となると誰でも「落ちぶれたね♪」と思われることでしょうが、実はそうでもありません。もちろん売り上げは比較になりませんが、会社的にはずっと目指してきたBtoC(企業対消費者間取引)を実践できるわけですから。提携ビジネスから脱却したことで得られるものはたくさんあります。
・結婚式場の顔色を伺うことなく、自分たちの好きなように仕事ができる
・全てのお客様に公平なビジネスをご提案できる (※注1)
・展示会などで他のお客様にご迷惑をお掛けすることがなくなる
・夏のビアガーデンのチケット、年末のおせち料理の売り上げノルマがなくなる
・意味不明な会議へ出席しなくて済む
特に注1のことはこれまでの懸案事項でした。
結婚式場と提携するとお客様を紹介してもらえたり、持ち込み料の負担が無くなります。これだけ見たらかなりのメリットなんですけどね。でも実情は違うんですね~。
例えばレンタル価格20万円のドレスがあります。
このドレスを結婚式から紹介してもらったお客様にご利用いただいても20万円そっくりがお店の売り上げになることはありません。まぁどの業界でもこんなことは当然ことですが、当店が経験した場合ですと良くて30%、悪いと50%がバックリベートになるので14万円、または10万円の売り上げとなります。
そりゃ紹介してもらってこその売り上げですから、当然と言えば当然です。でも問題はそこじゃないんです。
式場からの紹介だと30~50%減となるので、20万円のドレスは20万円でしかお貸しできなくなります。しかし他のお客様にはサービスで少しお安くできたりします。というかほぼサービスしていました。
同じドレスをレンタルするのにA様は20万円きっちり、B様は20万円未満となってしまう訳です。
このことがどうしても納得できなかったのですが、式場提携ほぼ0となり、全てのお客様に同じ価格で衣装をご利用頂けるようになりました。
もちろん提携結婚式場がほぼ0ということで、お客様のご紹介もほぼ0となりましたがよくよく計算して見るとそんなに変わんないな~と感じています。逆にお客様だけを見ることができるので、これまで出来なかったことも自由にできます。
例えば「ウェディング衣装借り放題プラン」
こちらは『ウェディングドレス・カラードレス・タキシード・白無垢・色打掛・紋付袴といった婚礼衣装を何着レンタルしても30万円!』というこれまでに無かったレンタルプランです。式場と提携していたら絶対に出来ません♪
そして「安心22プラン」
こちらは新郎新婦衣装各一着(洋装or和装)と親族衣装4名分、合計6着のレンタル価格が驚きの22万円ポッキリ♡ こんなプランも完全フリーのドレスショップだから出来る事なんですね~。
今後は日本の経済状況、結婚式の実施率、ウェディングの多様化、その他諸々のことを総合的に判断し、消費者の立場になって次々と新しいことを仕掛けていくことが面白く、且つ必要不可欠だと思っています。
実際、お客様には「面白いことやってますね」とお言葉を頂けたり、「衣装代を節約したい」という方にご来店頂いています。今でも式場で婚礼衣装を手配すると「総額100万円」、和装前撮りで「50万円」だったりすることもあるようです。まぁ30~50%のバックリベートが発生しますし、婚礼件数も減少しているので結婚式一件あたりの単価を上げるしか売り上げを維持できないですからね。
※abitoの和装前撮りプランキャンペーン 「2着目無料」やってますよ
でもこんなことをやっているとますます婚礼組数の減少は加速化するんじゃないですかね?自分たちで自分たちの首を真綿でじっくりじっくり締上げていることに少しでも早く気付かないと・・・。
ウェディング業界のディープな話をしてしまいましたが、要はabitoは身軽になり自由になったということです。
自分たちで選んだ道なので、abitoらしく、しっかりと前を見据えて進んでいきたいと思っています。