10月を迎え、七五三のご来店が増えています。

ご存知の通り、七五三は「三歳女の子」「五歳男の子」「七歳女の子」のお祝いであり、基本的には数え年でするものです。
でもこれって昔なら絶対と言うか、殆ど決まりごとのようなものでしたが今では縛られる必要はありません。

なんたってお子様は同じ「三歳」にしても月齢によってかなり成長に差があるものですからね。
体格的なことはもちろんですが、社交性にも大きな違いがあることもあります。これは五歳にも言えることですが、さすがに七歳ともなるとその差は殆ど感じることはありません。

当店にご来店してくれる三歳のお子様の中にはいお店に入った途端に「イヤイヤモード」になってしまう女の子は少なくありません。
その特徴を例に挙げると・・・
◆パパママから離れない
◆スタッフと目線を合わさない
◆衣裳を見ない
◆試着をしてもらおうとすると泣き出す

こうなるともうお手上げです。
ご両親も必死に「●●ちゃん、ちょっとだけ頑張ろう」とか、「お願いだから・・・」と声をかけたり、少々怒り気味で説得を試みますが、当店の経験上では上手くいくことは決して多くはありません。
例えここで無理矢理着物が着れたとしても、七五三当日にどうなるかはわかりませんし、着れたとしても撮影を考えると難しいと思われます。

時間もかなりかかりますし、お子様本人は泣きじゃくってストレスを抱えますし、ご両親だって次第にイライラしたりしてストレスを感じてしまったりしまうことが考えられます。

このような三歳のお子様の月齢を聞くと、殆どが三歳未満(数えで三歳)か三歳になったばかりの子です。
もしかしたら、いえ多分七五三をされるにはまだちょっと早い月齢なのかもしれません。もちろん問題ない場合もありますので絶対とは言い切れませんが・・・。

昨日ご来店された三歳の女の子も「試着しない」「試着させようとすると泣き出す」といった状況でした。
やはりつい先日に三歳になったばかりとのことでした。
ご両親、おばあ様は何とか今年のうちに七五三を行いたいと思われていたようですが、状況から判断し、私は「今年ではなく、一年待って来年に後倒しされてみてはいかがでしょう?」とご提案しました。

無理に七五三をして、ご家族でストレスを感じたり、いい写真が残せない可能性は決して低くはないと判断したからです。
女の子の初めての七五三ですし、ご本人にはもちろんですがご家族にとっても素敵な思い出を残すのであれば「一年後倒し」という選択も決して間違いではないのではないでしょうか?
するとご家族もご納得され、「来年早いうちにまた来ます」ということになりました。

おそらく、来年になればちょっと大人になり、全てがスムーズに進み、ご家族にとってかけがえのない思い出をお作りできるはずです。

ご両親におかれましては「他の子はきちんとしているのにうちの子は・・・」なんて思われないようにお願い致します。
私の経験上、三歳でダダをこねていた子ほど、七歳の七五三では見違えるようにしっかりされたお子様へ成長していることが多く、驚くほどです。

そもそも人間は画一的な成長をするはずもなく、その中で個性を作り上げていくものです。
まだ三年そこそこしか人生を歩んでいないわけですからね。


そんなコトでまとめます。
確かに七五三は「三歳」「五歳」「七歳」で行うものではありますが、今となっては目安の年齢でしかないと思います。
心と体の成長に合わせて行っても良いのではないでしょうか?
多分、フォトスタジオや貸衣裳店などから山のようにDMが届き、それとなく「今年やらなくては」と思い込んでしまったりするものですが、何より大切なのはご本人やご家族にとって輝き続ける思い出を作ることだと思います。

もちろんそのご判断はご両親次第ではありますが、「一年後倒し」という選択肢もあることを知っていただけたらと思い、このブログを書きました。

ちなみに当店abitoは七五三はもちろん、成人式などに関するDMは一切送付しておりません。嫌いなんです、DMって♪