お嬢様や息子様が結婚式をするにあたって、お母様の殆どは当日に留袖を着用されます。
ご自分の留袖をお持ちの方もいらっしゃいますが、「もう何回も着てる」「ちょっと柄が古臭い」「サイズが合わない」という理由からレンタルされる方も少なくありません。またレンタルするメリットとしては「たくさんの中から選べる」「サイズが豊富」「使用後は返すだけ」と言ったものがありますからね。
では留袖をレンタルする前に考えておくべきこととは一体何なのでしょう?
1.予算を決めておく
留袖のレンタル代は店舗によっても様々なのですが、結構幅があります。当店の場合だと1.5万円~7万円とその差が5.5万円もあります。予算を決めていないと「どれくらいの留袖にして良いか分からない・・・」と考え込んでしまい、あれやこれや見ていると余計に分からなくなるもの。
ある程度の予算に絞っておけば、時間も手間も半減します。ちなみに当店の場合、3万円前後の商品が主流です。
予め、ご友人や最近お子様の結婚式があった方などにリサーチして見るのもおすすめです。
2.相手方のお母様の状況を把握しておく
ご自分の予算もさることながら、相手側のお母様がどの程度の留袖を用意されるのかも気になるところです。
結婚式では殆どの場合、最後の最後でご両家で一列に並び、最後のご挨拶をされます。このことから「比較されてしまう」と思われるお母様も少なからずおいでです。しかし実際はそうそう比較して見てはいないとは思いますが、そこは女性ならではの心理ですね。
そもそも相手側は留袖は着ないでドレスにするという選択をされるかもしれませんので、お子様を通して、ある程度の状況を把握しておくと予算なども決めやすくなるのではないでしょうか。
3.ご家族の家紋にこだわるかを考えておく
お母様がご着用になる留袖は既婚女性にとって、喪服と並んで最上位に位置する和服です。そしてそんな和服には両肩口の前後ろに、そして後ろ衿下の合計5ヶ所に紋が入っています。もちろんレンタルなので任意の家紋ですから、ほぼご家族の家紋とは違ったものになります。
「家紋にはこだわらない」・・・こういった方が殆どですが、中には「家族の家紋で結婚式を迎えたい」という方もいらっしゃいます。そんな方には「貼り紋」といって、元々ある家紋の上に貼ることのできる物があります。こちらを利用されてみてはいかがでしょうか?
ここで大切なことは正式な家紋の名称を把握しておくこと。
同じ藤柄の紋でも「下がり藤」もあれば、「上がり藤」もあります。また丸があったりなかったりと、結構複雑です。もし名称が分からない場合はご先祖のお墓や仏壇等に刻まれている家紋を写真に収めて、お店の方にお見せすると良いでしょう。
当店にもございますが、殆どの貸衣裳店には「紋帖」という家紋が羅列されている本がありますので、それで調べることができます。
また貼り紋はある意味特注品で、外部に発注することになるのである程度の時間が必要です。結婚式ギリギリに申し込んでも対応していただけない場合がありますし、二度手間とならないように前もって考えておくと良いと思います。
結婚式は新郎新婦が主役であるのはもちろんですが、ご両親やご兄弟もメインキャストです。新郎新婦がお世話になり、今後もご支援してくださる大切なゲストをお迎えするお立場です。こんなことも鑑みて、留袖の予算や家紋のあるなしを考慮してみてはいかがでしょうか?