特別な日。
結婚式、卒業式、誕生日、クリスマスなどいろいろな特別な日があります。
そんな特別な日は殆どの方が特別なことをします。
衣裳を着たり、写真を撮ったり、美味しい料理をしたり、プレゼントしたり・・・・。またお祝いの言葉を送ったり、気持ちを伝えたりもしますよね。
だって特別な日ですから。
でもそんな特別の行動を特別ではない日にする事こそ、本当の特別なのかもしれません。
なんでもない、何気ない日にプレゼントをもらったら特別感を感じますよね。
なんでもない、いつもの日常でちょっと贅沢な食事をしたらとても嬉しいですよね。
当店では衣裳を着て撮影をするフォトプランがあります。
これまでは結婚式の前撮り、成人式、卒業式、七五三、お宮参りと人生でも特別な節目においてのお客様が殆どでした。これからもそうだと思います。
しかし今日は全員和装を着ての家族写真の撮影でした。
お父様・長男様・次男様・三男様の4名は黒の五つ紋の羽織に仙台平の袴、奥様は訪問着、そしてお嬢様は小振袖という家族6名全員が和装を着ての撮影でした。この撮影は奥様の「家族写真が撮りたい」という一言から始まりました。
どなたの節目ということではなく、ただシンプルに家族全員で和装を着た写真を残したかったそうです。つまり誰が主役ということではなく、全員が主役の家族写真です。
子供が小さい頃は七五三だったり、入卒業式、家族旅行などで家族写真を残しますが、成長されるにつれそんな機会は少なくなります。もしかしたらほとんどないと言っても過言ではないかもしれません。子供の結婚式まではないですし、結婚式は何かとばたばたしていたりしますしね。
今日撮影した写真はこのご家族にとって、将来どれくらいの価値があるのでしょう?
写真を見返す楽しみ、これから増えるであろう家族に見せる喜びもあるでしょうが、一番はこの日を思い出すことだと思います。
竹林でのロケーション撮影だったので、「この日は暖かかったよね!」「雲ひとつない青空だった」「このあとすぐに東京へ戻ったなぁ~」「おじいちゃんおばあちゃんも来てくれたっけ」・・・こんなことを思い出せることこそが一番の価値なのかもしれません。
写真という物質がなくても、人間には記憶というものがあるので「いつでも」「どこでも」思い出せます。そしてこの日の記憶は家族全員で共有しているので、また家族が揃ったときには必ず話題となり、話も弾みますよね。
衣裳をお貸しすること、お着付けをすること、写真を撮影することが私たちの仕事です。でも本当は思い出を作るお手伝いをすることこそが仕事なのだと思います。
お客様の人生に足を踏み入れることになりますので、とても責任は重大です。とても怖いことではありますが、それ以上に誇りを感じています。
本日の撮影で、新しいコンテンツが生まれました。いつも斬新なプランを考えていますが、お客様のご要望こそが斬新だと気付かされます。
特別でない日に特別を
これって素敵ですよね。