先日、10年近くお世話になった老舗ホテルさんとの提携を一方的に解消されてしまいました。
「提携解消」というきっかけになったのは弊社のホテルへの一言でしたが、根本的な原因の基を作ったのはホテル側です。ここだけはハッキリ断言しておきます。
事の顛末をゆるい感じで書き留めておこうと思います。
提携解消となった弊社の一言と根本的原因
ホテルへ伝えた一言
結婚式場の全てではないですが、業者に対して「協賛金」を求める会場も有ります。その他には年末におせち料理、年に数回のディネーショーチケットの購入を半強制的に求めれられることも・・・・。
業者としてはこれらの要求に対して、殆どの場合拒否しません。
なぜなら最悪の場合、提携解消となることもあるからです。例え提携解消にならなくても、拒否した時点でそれまでの関係性を持続するのはほぼ困難になります。つまり「売り上げ」に大幅に影響を与えかねないので、泣く泣く受け入れなくてはなりません。
「お付き合い」と言えばそれまでですが、でもそれができるのも「売り上げあってこそ」です。
売り上げは減少するのに、お付き合いの額は以前のまま・・・・これって間違ってますよね?
弊社もこちらのホテルさんと提携してから暫くの間は「協賛金」「お節の購入」「ディナーショーチケットの購入」をもちろんしていました。この頃はそれなりの売り上げもあったので「お付き合い」と考えることができたからです。
しかし年を追うごとに売り上げは減少、しかし相変わらず求めるものは変わりませんでした。
でも弊社にも限界点が有ります。
数年前、その限界点に達し、ホテル側に「ディナーショーのチケット購入は今後出来ない」と伝えました。
でもこれってかなり勇気がいる事、何故なら前述したように「提携解消」に繋がりかねないですからね。でもこの時は「解消されたらまぁしょうがない」と半ば腹をくくっての行動でした。
しかし意外な事に了承され、その後も提携は続きましたが、業者としての立ち位置はやはり変化しました。簡単に言えば『送客されることが少なくなった』と言うことです。
この時点ではまだ多少の売り上げが有りましたが、去年になるとほぼ売り上げがないという状況。
お節とディナーショーは免れましたが、相変わらず「ブライダル協賛金」という名目の出費を要求されます。もちろん今年も。
しかもFAXで一本で。
売り上げが0に等しいのにブライダル協賛金数万円を支払うことは出来ません。こんなこと小学生だって分かることです。
なのでFAXを見たと同時にホテルへ電話を入れて、私はこう伝えました。
「ブライダル協賛金はお支払いできません。売り上げがないのにおかしくないですか?」と。
ちなみにちょうどこの頃、ネットやSNSなどで【ブライダル業者から優越的地位の濫用規制上問題】がやたらと取り上げ上げられていたことがこの一言を発するキッカケにもなりました。※この場合のブライダル業者とは元請業社を指します。
今でもこの一言を発した事に後悔はありませんし、正義はこちらが側にあると信じています。
一言を発した後の扱われ方
その後、ぱたりとホテルからの連絡はなくなりました。
年に数回あった「ブライダル部会」という集まりにも呼ばれなくなりました。このホテルのブライダル業者会の会計を務めていたにも関わらずです。
この懇談会では「アイデアを出してください」と集まる度に求められたので、「ホテルのウェディングの為になれば・・・」という思いで、出し惜しむことなく何度も伝えてきました。しかしいくら建設的な意見をいっても、「あーそうですね」で一向に取り組まず、次の会合では全く違うことを始め、今度はその事について意見してください・・・何てことは毎度の事でした。
ハッキリいってまじめに意見した自分が馬鹿らしくなりましたね。
同時に、「コリャだめだ」とも感じました。明るい未来は全く感じる事は出来ませんでした。
そしてブライダル担当者が連絡なしでやってきた
遂にその日がやって来ました♡
通常、「提携解消」を業者側に伝える場合は事前にアポを取るものですが、一切連絡はなく、突然担当者が来ました。
ま、おおよその見当は付いていたのでどうでもいいんですが、「一旦ここで・・・・」とのこと。軽く聞き流していたので、何と言ったのかは正確には覚えていませんが、要は「提携解消ね♡」のこと。
一旦?
「いやいや未来永劫もうないんでしょ!」と心のなかでツッコミつつ、一つの時代が終わったと感じ入っていました。
でもこうなったら遠慮せず(これまでもそれほどしていませんが・・・)、想いの丈を担当者にぶつけました。
「普通、協賛金は定額じゃなく、売り上げの○%って言うのがスタンダードですけどね」とか、その他ここでは書けないようなこともね♬
ご丁寧にブライダルフェアのポスターとチラシを持参されたことは、今でも意味不明です。常識的に有りえませんね。
「提携解消」を弊社に言い渡した重大さに気付いていない
今回の提携解消までの経緯は説明した通りで、一番の起因は弊社がブライダル協賛金の支払いを拒否した事で間違い有りません。
弊社はこのホテルに不利益なる行為を犯してはいませんし、コンプライアンスに違反することもしていません。この事がどれだけ重大なことなのかをホテル側は気付いてない可能性が有ります。
公正取引委員会のサイトにこう記述されている箇所が有ります
「商品・サービスの購入・利用の要請及び金銭・物品の提供の要請については,これまでも独占禁止法違反として法的措置が採られた実績のある典型的な優越的地位の濫用行為」
こう記されていることを知っていたとは思いません。
ダメね♡
まとめ
散々と弊社側の見解を述べて来ましたが、もちろんホテル側にも言い分はあることでしょう。
そして10年に及ぶ提携で、売り上げも作っていただきましたし、本当にお世話になったと思っています。もちろん感謝もしています。
しかしビジネスはあくまでもビジネスで、小さい会社であっても弊社なりの理念があります。
「お節の購入」「チケットの購入」「協賛金への協力」は独占禁止法に抵触することですが、100%否定はしません。売り上げに応じての「お付き合い」はごもっともなことだと理解していますし、致し方ないことと思っています。
しかしそれは売り上げあってこそ。
「売り上げ」-「お付き合い」という引き算の答えがマイナスはあり得ません。またこの事によりホテル側から「提携解消」を言い渡された事に対しては、「納得」したり「理解」はしません。
この事に対する対処方は色々と有ります。
公正取引委員会に報告、メディアへの情報のリリース、ホテル側への正式な抗議と見解の要求などなど・・・・。
さてさてどうしたものでしょうかね?
弊社としては再度提携を再開したい訳ではありませんし、別にどうでも良いことなのですが、ブライダル業界の今後を見据えると看過するのもいかがなものなのかと考えています。
まずはじっくり考慮してからですかね。