男の和装と言えば、やっぱり紋付袴ですよね。
この紋付の「紋」とは家紋の事で、羽織の胸に二つ+後ろ袖に二つ+背中に一つの合計で五つで「五つ紋」は最も格式が高いと言われています。現在では羽織には白や紫、紺、赤、黄など様々な色があります。最も格式の高い色は「黒」。
そして黒縞の袴も格式があります。
つまり五つ紋の黒紋付羽織と黒縞の袴の組合せが男性の和装の中でもっとも格式があるといえます。
画像にもある黒縞の袴を「仙台平」と呼ぶことがありますが、本物の仙台平は最高級のものであり、現在では一社のみが製造しています。つまりおよそ殆んどの物が仙台平ではなく、「仙台平風袴」が実情です。もちろん当店の袴も仙台平風です。
当店は11月には紅葉ロケーションの和装前撮りが多数ありますが、花婿の殆んどがこの組み合わせでお決めいただいています。
今週セット中の紋付袴も黒ばかり。やっぱり黒が一番人気です。
男性のお客様にとって、紋付袴は身近なものではありません。
何を基準に色を選ぶかはお客様次第ですが、紋付袴のイメージって断然黒ですよね。だから黒を選ばれることが多いんですが、当店では黒の格式の高さをご説明もしています。
「格が高い」と耳にすると、男性は理論的に納得し満足されます。ビジュアルも大切ですが、やはりそれ以上にダンディズムに重きを置くのは男性ならではのことですね。
話しは変わりますが、こちらをご覧下さい。
これは羽織の裏を撮影したものですが、羽織の裏地である「羽裏」にはこのように絵が描かれています。これを「額裏」といい、額縁の一枚の絵のようになっています。本来、この額裏は男のこだわりや個性を演出するものです。
このように目に見えないところにもこだわりを持つのは男の憧れであり、かっこよさでもあります。
もちろん当店の物はレンタル品なので、サイズによって、または羽織によって額裏の絵はそれぞれ違く、お好みに合わせてお選びいただく事は出来ません。でも羽織を着用される機会があれば、この額裏にもご注目してみてはいかがでしょう?
どんな額裏に出会うかは「縁」ですから、なぜその額裏になったのかを自分なりに解釈してみるのも面白いかもしれません。
紋付袴の一番人気、そして最高格式は「黒」ですが、一択というわけではありません。
花嫁の打掛に合わせて違う色を選んだり、「タキシードが黒だから和装は違う色!」という方もいらっしゃいます。ご自分のお好みに合わせてお選びするのが最も大切ですからね。どのような色を選ぶにしろ、男の紋付袴姿は洋装にはないかっこよさがあります。着こなしのポイントは姿勢よく、胸を張ることです。
普段では感じることのない和装の魅力を存分に味わっていただきたいと思います。