ひと昔前、何かに付け重要視されたのはスペック、いわゆる機能性です。
スポーツカーであれば馬力やトルク、時計であれば多機能性、結婚相手にも「3K」(高身長、高学歴、高収入)を求めていました。
これを紐解くと、「手に入れた瞬間」において最高の満足度を得ることを求めている時代だったのかもしれません。
そして時代は変わり、最近は商品のスペックももちろん重要なファクターではありますが、何より消費者の方が重視しているのはそれを手に入れたことで、「どんなことを生み出せるのか?」ではないでしょうか。
例えば今自動車で人気なのは高級車でもなく、スポーツカーでもなくファミリーワゴンですよね。
このファミリーワゴンで旅行やキャンプに行ったりと、購入してすぐの満足ではなく、手に入れたことで思い描けることが無数にあるということです。広々とした空間で家族の絆をもっと深めたり、ご家族にも負担なく快適に過ごしてもらうこともできます。車のサイズも大きいので、、万が一事故にあった時でも小さいよりは安心ですからね。
住宅だってビジュアルやデザインはもちろん大切ですが、老後のことを考えてバリアフリー化にしたり、光熱費を考えて空気の循環システムを導入したりと長いスパンでの購入判断をされている方が多くなっています。
高級だから・・・
安いから・・・
技術を駆使した商品だから・・・
速いから・・・
希少だから・・・・
このように短い言葉で形容できてしまうようなスペックは現在では求められることが少なくなっています。
その先に待っているものがイメージできないと、手に入れようと思わない時代になっています。
さて結婚式ってどうなんでしょう?
その日が最高の満足度でなくてはいけないのが結婚式。こう考えると前時代的なものとイメージしてしまうからなのか、年々結婚式をされる組数は減少傾向にあります。
最高の場所で・・・
最高食事・・・
最高のドレス・・・
う~ん、結婚式はスペック重視であるといわざるを得ませんね。
「結婚式はあくまでもスタートであり、ゴールではない」・・・・・一度は聞いたことのあるフレーズだと思います。
とはいえ、一生に一度のことに最高のスペックを求めるのは当然のことでもあります。
つまり何か言いたいかというと、お二人にとって最高の結婚式を挙げることにより、その先の人生に「何が待っているのか?」「何を生み出してくれるのか?」ということを結婚式場をはじめ、ドレスや写真や結婚式に携わる業界の人間がもっと喧伝しなければならないと思うんですよね。
その日のために何百万という費用を支払うからには、もちろんその先に何かがないとおかしいんです。
例え結婚式が最高のものだったとしても、その日限りでは費用対効果が悪すぎますからね。
結婚式のその先には間違いなく何かがあり、待っているものだと私は考えます。
ゲストの方々とあくる日に語り合える思い出だったり、輝いていた時代を思い出すことで気持ちがリフレッシュできたり、その日の気持ちを思い出すことで優しくなれたり・・・・お金では叶えることができない様々なことがその先にあるんですよね。
このウェディング業界はある種、夢を売る商売でもあります。
結婚式のその日の夢を届けるだけでなく、その先にある夢も一緒にお届けしたいものです。そうしないとこのままでは斜陽産業となり、結婚式に夢を感じる方すらいなくなってしまうかもしれません。せっかくの素敵な仕事なんですから、売り上げだけでなく、夢も追求できる業界であって欲しいと思います。
スペックは二の次、その先に何が待っていて、何が生み出されるのかをもっと皆さんにお伝えして行かねばならないと考えています。
ブログの有り方も再考すべき時期になりました。