ロケーションフォトを得意とする当店abitoにはウェディングフォトにたくさんの想いをもったお客様がいらっしゃいます。
「わがまま」と思われてしまいがちのその大きな想いの為、よそのお店では断られたり、対応してもらえないこともあるようです。結局、お店側は自分達のやりやすいこと、やりやすい進め方しか受け入れてくれないのかもしれません。これまでは結婚式に全ての想いを込めることが殆んどでしたが、前撮りというものが定番化し、一般的になってくれば自ずと撮影にも想いが募るものです。
まぁ他所さんがお受けせず、断られるので当店に来ていただける訳ですが・・・。
でもいつもやっていること、やりやすいことばかりしていると進化も変化もできませんよ。おかげ様でabitoはいわゆるお客様の「わがまま」をこれまでも試行錯誤しながら実現化してきたので、レベルアップしていることを実感しています。
お客様のわがままって実は会社やお店にとって、自分達では手に入れることの出来ない「進化の果実」なんですよね。それをわざわざお客様が下さるわけですから、いただかないという選択肢はないと思うのですが・・・。
さて前置きが長くなりましたが、11月に当店では珍しくドレス&タキシードの前撮りをさせて頂きました。
お客様のご希望は和装は紅葉ロケ、洋装はメリーゴーランドでの撮影。
お二人はこの撮影に並々ならぬ想いをお持ちで、最初のご来店は半年ほど前。その為、当店としても初めてとなるメリーゴーランドでの撮影に対応する為の時間がたっぷりとあり、十分な準備をすることが出来ました。
午前中は和装で紅葉ロケ
まずは鹿沼市にある紅葉の名所「掬翠園」で紅葉ロケから始まりました。
今年の紅葉は時期的にかなり遅れ気味であったと共に、夏の猛暑の影響だと思いますが色付きが例年に比べてやや甘い感じでした。しかし素敵な撮影が出来たのでホッとしました。
撮影にはご両家のご両親も参加下さり、花嫁側に至っては遠く青森県からお越しくださいました。ご両家とも大変明るいご家族で、撮影中もずーっと楽しい雰囲気で過ごすことが出来ました。
花嫁様の白無垢でのご希望は綿帽子での着用。
本来、綿帽子の着用はカツラのみでしたが、当店では洋髪のままでOK!白無垢に綿帽子はまさに「THE 花嫁」ですね。とてもお似合いでした。
和装を撮影後は店に戻り、休憩の後、洋装へのお召し変えです。
どうせ撮影するなら夕暮れ時、そしてライトアップした中で
そもそも当初のスケジュールでは午前がメリーゴーランド、午後が和装撮影という予定でした。しかし午後4:30からメリーゴーランドがライトアップされるという情報を得て、急遽でしたが撮影数日前にお客様に順番を逆にするご提案をしました。これが大正解だったんですよね~。
メリーゴーランドってやっぱり夢があるというか、ロマンティックですよね。童心に帰れますし、緩やかな動きが子どもの時に感じたものとは違って心地良く感じます。
圧倒的な存在感があるので、手前のイニシャルオブジェにピントを合わせて、ボケさせてもハッキリとわかるものです。
和装フォトでもリクエストが多いこのポーズですが、メリーゴーランドを背景にすることで雰囲気がバッチリですね。
さてここまでは明るい時間での撮影でしたが、この後ご紹介するのは夕暮れ時のメリーゴーランドがライトアップされてからのもの。雰囲気がガラッと変わりますからね。
まずはスタッフの間でも一番人気のあった一枚。
ライトアップされたメリーゴーランドもさることながら、太陽が沈みながらも明るさの余韻が残る時間である「マジックアワー」も大変素敵な雰囲気となっています。そしてロングヴェールをなびかせながら、花婿に抱き上げられた花嫁の姿は本当に美しいの一言。全てが上手く噛み合ったからこその奇跡の一枚と言えるでしょう。
ライトが点ったメリーゴーランドがこれほどまでにゴージャスで、迫力があるなんてこれまで思いもしませんでしたが、この日は圧倒されっぱなしでした。まるで舞踏会のようであり、おとぎの国のようにも感じますね。
こちらのような撮影はやはりプロカメラマンではならではのもの。今回撮影してくれたカメラマンは光を自由自在に操る、別名「光の魔術師」の大熊氏によるもの。わざわざ千葉県から来てくれたんですよ。
眩いばかりの光の中でかすかな微笑を浮かべるお二人はまるでプリンスとプリンセスのよう。夢のような世界感の中で撮影ができるのも前撮りならではの醍醐味です。
昼間と夕暮れ以降ではメリーゴーランドは全く別物となります。
11月中旬の撮影でしたが、この日は割合暖かかったとは言え、ビスチェのドレスを着られた花嫁様の頑張りには頭が下がる思いでした。これもお二人がこの撮影にかける想いが並々ならぬものであるという証拠であり、その想いに応える為に我々スタッフも出来る限りのことだけはさせて頂きました。
その後のお二人のご感想
既に撮影データが仕上がってお二人にはお渡ししてあるのですが、その際にこんなお言葉をいただきました。
「本当に撮影して良かったです。とても楽しくて楽しくて、家族も喜んでくれました。」
和装前撮りとドレスの前撮りを同日に行ったので、朝7時から夜7時までの一日の半分を費やした撮影でした。他所のお店ではこのようなスケジュールの撮影はしないと思いますし、したとしてもそれぞれ別日での撮影ではないでしょうか?本来なら二日に分けて撮影した方がお二人の負担も少なく済むのですが、遠く青森から出てきてくださるご両親のこともありますからね。親としてはやはりどちらも見ておきたいと思うのは当然ですからね。
当店としましてはお二人の思いを叶えるお手伝いができ、しかも喜んでいただけたことが何より嬉しいです。
最後に・・・
およそ12時間の撮影ということでスタッフ、そしてカメラマンともに疲れたことと思います。
ですがその疲れをふっ飛ばすような楽しい時間であり、また初めてのメリーゴーランドでの撮影なのでワクワクしっぱなしで疲れを感じる余裕は全くありませんでした。
これまでにしたことのないことをさせて頂き、また一つ経験値が上がり、次のお客様へもさらに素敵なご提案の幅が広がるというものです。冒頭で申し上げた通り、こういったリクエストは本当に「進化の果実」だと心から思います。
当店は新しい試みに対してワクワクを感じます。
「できなかったらどうしよう」「一から始めるのは面倒」「失敗したくない」という考えがないわけではありませんが、それ以上にワクワク感が上回ってしまうんです。だって出来なかったことが出来るようになれば嬉しいですし、達成感を感じますからね。
もちろん絶対に無理なリクエストにはお応えできませんが、とりあえずは検討は致しますのでお二人のご希望をお聞かせ下さい。まずはそこから始めましょう!!!