ここ数年、和装前撮りも野外でのロケーション撮影が人気となっています。
	
	和装を着用しての撮影となりますから、せっかくなら和の風情を感じられる場所を選ばれる方が多いと思います。
	
	
	では皆さんはどうやってロケ地を決めているんでしょう。
	
	基本的には直感だったり、お店からのおすすめが殆んどだと思います。でもどうせ決めるなら失敗はしたくないもの・・・初めての事だからこそわからないことばかりだと思います。
	
	
	本日は和装のロケーションをご提供している側、つまりプロとしての「失敗しないロケ地選び」に大切な6つの要素をお伝えします。参考になると思いますよ!
	
	
	1.日本庭園がある事
	
	やはり何といっても和装ロケにおいては日本庭園は欠かせません。
	
	
	
	「ロケーション」というくらいですから、庭園があってこそですね。
	
	春には桜、初夏は紫陽花と新緑、秋は紅葉と季節の美しい草花はお二人の和装姿をさらに思い出深いモノとしてくれるはずです。
	
	
	できれば季節ごとの木々がある庭園が望ましく、さらにいえば燈篭や石橋、門など庭園を彩るものがあれば最高です。
	
	
	2. 建物内でも撮影できること
	
	ロケーション撮影という名称から、「野外」での撮影を想像しがちです。
	
	でもそうではなく、「他の場所での撮影」という意味で有り、ここには建物内での撮影も含まれます。日本庭園での撮影だけでなく、建物内、いわば板の間や畳のある部屋でも撮影を希望されるカップルは大変多いのが現状です。
	
	やはり多くの方に最もリクエストされるのが正座ポーズです。
	
	
	
	その目的は何といっても年賀状での使用です。また結婚のご挨拶状や、結婚式でのスライドショーなどでも使われることが多く、建物内での和装撮影を象徴するポーズといえるでしょう。
	
	

	
	アイテムを使えば、いろんなバリエーションが楽しめるのも正座ポーズの良いところです。
	
	
	その他、優しい日差しが差し込む障子を前に印象的な撮影をしたり・・・
	
	
	
	縁側で二人で童心に戻ったような写真を撮影したり・・・
	
	
	
	建物内だからこそ残せる撮影ができます。
	
	急に雨が降り出しても、入ることのできる建物があれば安心ですしね。それに急に体調が悪くなっても休める場所があるということはとても大切なことです。
	
	
	3.水辺があれば最高です
	
	婚礼和装と水辺(池や小川、滝など)の相性はバツグンです。
	
	
	滝だとまるでもでる撮影のような雰囲気に!
	
	

	
	池では逆さに映るお二人の姿がとても素敵です。
	
	


	
	
	小川があると時代を超越したかのような素敵な1枚が残せます
	
	

	
	
	清らかな水は日本の象徴でも有り、婚礼和装と組み合わせると想像以上に和っぽさがでるのでとっても効果的です。
	
	是非お試し下さい。
	
	
	4. 歴史ある場所の説得力
	
	打掛や紋付袴は日本の伝統的な婚礼衣裳です。
	やはり伝統的な衣裳には伝統的な場所、つまり歴史のある場所がおすすめです。
	
	京都の自社仏閣に多くの方が魅了されるのは、根底に歴史を感じるからではないでしょうか?せっかくの和装写真ですから、説得力のある場所こそ価値が上がるってものです。
	
	
	
	


	
	明治、大正の時代から受け継がれ、現在に至るのには訳が有ります。
	
	貴重であること、贅の限りを尽されて作られたものであることなど様々な理由が有りますが、かいつまんでいえば「今の時代では再現できない」という価値が有ります。例え資金を惜しまずに同じものを作ったとしても、「経年変化」という時間だけが作り出せるものは真似ができません。
	
	歴史あるものは法隆寺や清水寺のように、何百年経とうとも大事にされ、ほぼ失われることは有りません。お二人の大切な写真を撮影した場所がなくなってしまうことは悲しいものですが、歴史ある場所なら安心です。
	
	
	5.テレビや映画のロケ地として利用されている場所なら自慢の種になります
	
	テレビドラマや映画などのロケ地として利用されている場所での撮影はテンションだけでなく、仕上がりの写真も格が上がります。
	
	正式な時代考証をしてのロケ地としてセレクトされた場所なら、抜群の雰囲気であるというお墨付きを貰ったといっても過言では有りません。それにご自分達が撮影した場所をテレビや映画館で見ることになったら、何となく誇らしいものです。
	
	
	
	旧栃木市役所での1枚。
	現在TBSで日曜のよる9時放送のドラマ【この世界の片隅で】のロケ地です。
	時代的には戦中でしたが、こちらの旧市役所はおよそ100年前の1921年に建てられたものです。いわゆる和洋折衷の洋館ですが、そのデザインと色合いはこの時代を象徴するデザイン。素敵ですね。
	
	当店としてもロケ地として利用されている場所をテレビやスクリーンを通して見ることができると嬉しいものです。そしてやっぱり素敵で価値のある場所であると再確認することにもなります。
	
	
	6. 観光(観覧)者数が多すぎないこと
	
	観光客が多いということは、それだけ人気のスポットということにもなります。
	しかし人が多すぎると撮影は困難を極め、予定通りに進まなくなることにもなります。
	
	
	
	でもやっぱりお二人の大切な記念の撮影ですから、「お二人だけの世界」だけを残したいと思うのは当然のことですよね。
	
	どんなに雰囲気が良くて、素敵な写真でも見ず知らずの方が写り込んでしまったらちょっとイヤですよね。しかしそうは言っても「撮影中ですので避けてください」とは言えませんから、写りこまない位置まで移動した下さるまで待つしか有りません。想定以上の時間がかかることで、お二人の負担も増えてしまいます。
	
	当店は栃木にあるお店ですから、しょっちゅう「東照宮で撮影できませんか?」というお問い合わせをいただきます。
	基本的に東照宮での撮影はOKがでないのでお断りしているワケですが、例えOKが出たとしてもお断りすると思います。何故なら現在、東照宮に訪れる観光の方は大変多く、そんな中でご満足して頂けるような撮影は不可能だと判断するからです。
	
	
	撮影の時期や時間によって状況も変わると思いますが、スムーズな撮影ができる場所かどうかをまずは確認することもとても大切だと思います。
	
	
	最後に・・・
	
	これまでロケで数多くの和装前撮りを経験してきたお店としての考えが多分に含まれた内容ではありますが、和装前撮りはどなたにとっても初めてのことであり、わからないことばかりなので参考になることばかりではないでしょうか?
	
	「初めて」「わからない」「知らない」ままでいると、下手すれば都合の良いように誘導されてしまう危険性も有ります。
	
	
	混雑した中での撮影も「いつものことです」と言われてしまえば、納得するしかありません。
	正座の写真が撮りたかったとしても、建物内に入れないのでは撮影することもできません。
	
	
	和装前撮りにはそれなりの出費になることですから、まずは大雑把でもいいので事前のリサーチは欠かせませんよ!知ることで防げることもあれば、スムーズになることもあります。今回のブログが少しでも皆さんのお役に立てたら、時間をかけて書いた甲斐があるというものです。
	
	っていうか、ぜひ参考にして下さいね!
	 


