秋本番の11月、結婚式・七五三・振袖前撮りと様々な場面で和装になる方が多いですよね。
和装でのお履物と言えば・・・お草履です。鼻緒に足を入れるだけなので、どなたでも簡単に履くことができるものですがいろいろと注意しなくてはならないこともあります。和装を楽しむためには草履の履き方をマスターすることも大切です。
本日は草履を履く上での注意すべきことをお知らせしようと思います。
草履は男女で形が違う
最近の靴は男女でデザインが共通していることも多いですが、基本的に草履は形が違います。
こちらは打掛用の花嫁の草履。
底が厚手になっており、基本的に丸みを帯びた形になっています。
こちらは一般的な男性用の草履。
幅広で長方形になっており、基本的に薄手に作られています。
草履の底は滑り止めなしだから・・・
どちらの草履も底はこうなっています。スニーカーやブーツのような滑りを抑制してくれるような形状にはなっておらず、簡単に表現すればツルッツルです。本来、草履はすりながら歩くものなので、この形状に落ち着いているんですね。
注意点① マジで滑ります
上の画像でもお分かりいただけたと思いますが、草履は靴と違って大変滑りやすい履きものです。地面が乾いている場合はさほど問題ではありませんが、少しでも濡れている時は要注意です。特に日本庭園などには苔が張っていたり、丸石があったりと乾いていても滑りやすい箇所があります。履き慣れない草履、着慣れない和装の場合、滑った時のリアクションが通常より鈍くなります。
小さいお子さんや女性は出来るだけ男性の方に手を取っていただいて、サポートしてもらうと良いでしょう。もし側にいらっしゃらない時は十分の上に十分に注意してお歩きくださいね。
注意点② できれば深く履かないこと
【草履の履き方≒ビーチサンダルの履き方】と思われていることが非常に多いんですよね。多くの方が上の画像のようにガッツリと鼻緒に指の間を挟んで草履を履きますが、厳密には不正解なんですね。直感的にこうなるのは当然なのですが、これだと長時間草履を履いていると指の間が間違いなく痛くなってきます。
画像の右足のような「指で鼻緒を挟んで履く」のが正解の履き方。
いつものような歩き方だと違和感しかありませんが、本来の草履での歩き方である「すり足」でなら納得されると思います。要は草履は履くというより「引っ掛ける」感じですかね。
この履き方をするとかかとはこんな感じになります。
そう、かかとが出てしまいます。
でも安心してください、これが本来の姿なので「草履ちっちゃ!」とはなりませんからね。
とは言ってもいつの間にかビーチサンダルのように履いてしまっていることがありますので、「あれ?指の間が痛いかも?」と感じた時に鼻緒を挟むようにして、痛みから逃れるだけでも効果はあると思います。
注意点③ 汚れに注意
草履はほぼ足袋が丸出しになるので、水場や泥や土、砂の多いところでは要注意です。白足袋にあっという間に汚れが付き、しかも目だってしまいますからね。出来るだけそういう場所を避け、美しい白足袋のままでお祝い事を終えるように気をつけてください。
最後に
草履は日常履くことが少ないので歩きづらくて当たり前です。状況によっては滑って転んだり、足を挫いたり、足袋を汚してすまうこともあります。そもそも和装は飛んだり跳ねたりなど、アクティブな動きをするような衣裳ではなく、ゆったりと動きが似合う衣裳です。
つまり和装を着用する場合は時間に余裕を持って行動する事が何より大切です。
人間、焦ったり時間が無いと動きが速くなっていまいますからね。和装を着用する様なおめでたい日は良い気分のまま一日を過ごしたいものです。その為にも草履での歩行には細心の注意を払ってくださいね。