貸衣装業の「嬉しいこと」と「残念なこと」

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小学生から大学生までの幅広い層で「将来就きたい職業ランキング」でランクインすることのない貸衣装業。


一般的にもニッチなビジネスであり、消費者としても人生で関わることが数回という業界ですから当然のことです。それでも各県あたり数社の貸衣裳店がありますし、従事している方もそれなりにいます。そして私もそそのうちの一人。



この業界に入って既に20年の月日が流れましたが、この間に感じた「嬉しいこと」と「残念なこと」の上位3つを発表しちゃいます。


「嬉しいこと」


1.多くの方々の人生に関われる

「またまたそんな体裁の良いこと言っちゃって~」と思われるでしょうが、本音です。人間は誰しも、多くの方と関わりながら生きていくわけですが、「お客様」というある意味一期一会的でしかお会いすることのない方の結婚式をはじめとした、人生の大きな節目に「衣装」を通して携われる喜びがあります。
多分ドレスや振袖を借りたお店って忘れないと思うんですよね~。

そういった意味でもお客様の脳裏に記憶されているはずなので、大変光栄に感じます。




2.お礼やお土産を頂くことが多い

利用してくださったお客様から頂き物をする事が結構多いんですよね。もちろん頂いた「もの」もありがたいのですが、それ以上にその気持ちが嬉しいんです。だって衣装の代金はすでに頂いているのに、さらにですからね。
結婚式でご利用頂いたお客様からは新婚旅行のお土産、七五三のお客様からはお赤飯をいただくことが多く、それ以外にもお菓子や果物、野菜なども頂いております。




3.「綺麗なご商売ね」と褒められる

結婚式や成人式、七五三とおめでたく、華やかな出来事に関わる商売なので「綺麗なご商売ね、華やかな衣装に囲まれて仕事できるなんていいわね」といったことを良く言われます。現実はそうでもないんですが、一般的に見ればそう見えるんですよね。

そう見えるからこそ「やっぱりオシャレですね」とか、「お話がお上手ね」とかハードルをぐんと上げるようなお言葉を頂くことも。

嬉しいのは嬉しいのですが、自分たちではそう思っていないのでギャップを感じることも多々あります。

それでも一般的に見て「夢のある商売」と思って頂けるのは大変ありがたいこと。これが貸衣装業の存在価値の一つであると考えています。



一方「残念に感じること」



1.結婚式・お葬式をする場所を選びづらい

以前、当店がまだ数社の結婚式場と提携していた時期、自分をはじめスタッフが結婚式をやることになると「どこでやるか?」が問題になったものです。もちろん提携式場の中から選ばなければならない訳ですが、「あっちを立てればこっちが立たず」と言ったことになるので厄介です。式場側としても「いつも世話しているんだからうちでお願い」となるのは当然のこと。
お葬式も同じです。
当店は喪服を扱っているので数社の葬儀社と提携しています。先代社長の葬式は「通夜・告別式はA社」「仏壇の購入はB社」「四十九日法要はC社」と分散させて納得して頂きました。しかしもう一つD社もあったのですが、結局は利用せずじまい・・・半年後にはこのD社に提携を切られましたw

結婚式もお葬式も二度三度するものではないので、提携先への配慮が大変です。




2.子供のイベントに参加できない

この業界はサービス業ですから、基本的に土日祝祭日は仕事です。
平日休みに慣れてしまうと、土日って逆に休みたくなくなるものなんです。しかし子供が幼稚園や小学生の時に運動会や文化際などのイベントに参加できないつらさがあります。

大体、そういうイベントがある時期は業界の繁忙期と重なるんですよね。そう言う業界なので仕方ないのですが、子供の頑張っている姿をこの目で見れないのはとても残念に感じました。でも親以上に子供の方が寂しく感じたことでしょう。



3.横のつながりが希薄

冒頭でも書いたように、貸衣装業は地方の各県では数社のみ。その数社もいわゆる「競合」としての意識が強くてお互いに関わることは殆どありません。一般的にどんな業界でも組合的な団体があり、そこで交流し、悩みや問題を共有しながら切磋琢磨してますよね。そういうのが本当にうらやましく思います。

つまり一匹狼的なスタイルでライバル心を燃やしながら営業しているのですが、ここが昭和的で古臭く、残念に感じます。

ただ当店は関西や九州の同業者を中心とした勉強会グループに参加し、こちらで切磋琢磨を重ねているので問題なしですけどね。



ランキング圏外の業界でも、常に上位にランクインする業界でもその仕事に従事していると良いことも残念なことも同じくあるはずです。私も残念に思うことも書きましたが、「嬉しいこと」が消し去ってくれるからこそこの仕事を続けてこれました。今後は残根に思うことを少なくしていくのではなく、嬉しく思うことを一つでも多く作っていきたいと思っています。


人生に関われて、お金をいただけて、その上感謝されて、頂き物をし、褒めていただける貸衣装業。他の業界のことは殆ど知りませんが、この業界は本当に魅力があると思います。いつかギリギリでもいいのでランキングに入ることを夢見ますが・・・・99.9%無いでしょうね(笑)

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