ここ最近は成人式でお母様の振袖をご着用される方が増えています。
そうなると帯や草履なども殆どの場合がお母様の物を使用することになります。恐らく購入されてから四半世紀以上経っていると推測出来ますので、着用(使用)前に汚れ、シワ、染み、破損などをチェックする必要があります。
その中でも草履のチェックは必要不可欠です。
経年劣化により草履の底が剥がれやすくなっており、最悪の場合は成人式の真っ只中に剥がれてしまい、歩くのが困難になることもあります。そんなことにならぬよう、事前にチェックしておきましょう。
【草履の底とは?】
おわかりだとは思いますが、念のため。
別角度。
この部分が意外と剥がれやすいんです。
こうなってしまうことがあります。
見え辛いと思いますが、わずかですがすき間ができています。
こうなると剥がれの前兆で、いつ広がっても不思議ではありません。画象は横ですが、つま先だとかなりヤバイです。草履のご使用前に剥がれやすくなっている部分はないか確認しておくことはとても大切ですよ!
【剥がれの原因】
様々な要因がありますが、下記のようなことが考えられます。
①系年劣化
②保管場所(エアコンの風が直接当たっているなど)
③履き方
④保管状態
①は致し方ありません。
草履の底は強力な接着剤で貼り付けているのですが、経年と共に粘着力も弱りますからね。②に関してはきちんと箱に入れ、直接日の当たらない場所で保管すると良いでしょう。
③については普段のシューズのような歩き方をしてしまいがちだと、底に不可がかかりすぎてしまうからです。④は使用後は濡れたままでしまうのではなく、しっかりと日陰干し、草履の状態を確認しておくべきだと思います。
【対処方】
それでは底が剥がれたしまったり、剥がれやすい状態の場合にどうすべきなのでしょう。
①草履屋さんで修理してもらう
②履かない
③捨てる
④別を探す
⑤新しいのを購入
不安がある方は②~⑤を選択肢、安心して履ける草履を準備してはいかがでしょう?
「お母様から受け継いだ草履をどうしても履きたい」「思い入れのある草履だから何とかしたい」と思う方の選択肢は一択の①ですね。
草履屋さんに持ち込み、修理をしてもらえば直ります(状態による)。
費用は2~3千円で一週間は見ておきたいですね。
当店の草履もお願いすることがありますが、想像以上にしっかりと直してくださるので安心してお貸し出しできています。
お母様から譲り受けた草履は同じく譲り受けた振袖に合わせて購入されたものですから、その相性は抜群です。そして数十年以上に渡り、大切にしてきた思い入れのある品ですから今後も長く使っていきたいものですよね。
捨てるのも、新しく購入するのも簡単ですが、直すことでさらに愛着が湧くこともあります。
お伝えしたい事は「直す」という選択肢もあるということです。大切なものを大切に受け継ぎ、大切に次世代に渡すことって素敵ですからね。